ネットでの認知度も手伝って議席獲得に至ったNHKから国民を守る党、略称N国。
小さいことですが、略称である「N国」ですら特徴ありますね。
政策も特徴あります。
特徴というかわかりやすい。
わかりやすいというか、一つしかない。
その一つを政党名にしてるのだから、これ以上シンプルなことはありません。
今更ですが、党の目的は、NHKをぶっ壊す・・・ことではなく、スクランブル放送の実現です。
N国代表の立花氏によると、ぶっ壊すというフレーズは郵政民営化を掲げて選挙を行った小泉元首相の当時使ったフレーズをパクったそうです。
で、肝心のスクランブル放送の実現というのは、政党名にするにはちょっと長すぎるし、スクランブル放送というワードもそこまで知られていません。今回を機に知った人も多いのではないでしょうか。
スクランブル放送というのは、簡単に言えば、受信料未払い世帯への放送を止められる仕組みです。
ライフラインである電気、ガス、水道なんかと同じ仕組みですね。
固定電話回線は今やライフラインとは言わないかもしれませんが、そのかわりインターネットがライフラインに含まれるのでしょうか。
どちらにしても、これらは未払いで止められるのは当たり前です。
このたったひとつの目的、スクランブル放送の実現ということに関しては、私も含めて同意する人が多いのではないでしょうか。
上に挙げた電気、ガス、水道、通信と比較したら、NHKの放送がライフラインというのは違和感あります。
アメリカには公共放送ありませんしね。ちゃんとみんなまともに生きています。
日本でもNHK一切見ない、テレビ一切見ない、という人は普通にいるでしょう。
まさかですが、電気、ガス、水道、通信を一切使わない、という人は聞いたことがありません、、、
だから、見たい人がお金を払い、見ない人はお金を払わない、というのは完璧すぎる理屈です。
民意を得た、というのは納得です。
実際に私も、スクランブル放送は実現してほしいと思います。
ただ、少しだけ思うのは、、、
政治家を選ぶときって、どうやって選ばれるのだろうと。
大阪都構想を掲げて住民投票を実施した橋下氏がその演説中に、「私(橋下氏)のことは嫌いになってくれても良い、政策で判断してほしい」と訴えていました。
ところが蓋を開けてみると、僅差ながら不成立。
都構想反対派にもいろんな理由はあるのでしょうけど、理屈だけで言えば都構想は成り立ちます。
それでも不成立になったのは、都構想の賛否と共に、橋下氏の賛否が絡んだからだと思います。
つまり、何をやるか、ではなく、誰がやるか、という選択基準は全く無視できない、ということです。
話をもどして、N国、その代表立花氏。
上にも書いたように、数々の討論番組で識者からの質問に理路整然と答えていく姿は圧巻です。
しかし、考えてみたら、理屈上では当たり前のことを言っているので当然の現象です。
問題は、それを率先して「誰が」やるのか、というところにフォーカスされる可能性がある、ということです。
こうなってくると、NHKの政見放送で卑猥な言葉を連呼したり、NHK職員を恫喝する動画を公開したりしている、というモラル感が影響してくることは必須です。
私の個人的な意見を述べれば、政治は「誰がやるか」ではなく「何をやるか」の方に重点を置いているので、これを機にスクランブル放送実現へと向かってほしいと思っています。
ただ、繰り返しますが、世の中はそうはいかないこともあるようです。
誰がやるか、を重視する人も(少なくとも私にとっては)意外に多い。
そうすると、とんでもないところから火がついて失脚する可能性も否定できません。
少なくとも、今回のN国によってスクランブル放送という技術や、NHKの矛盾に世間の目が向けられたのは良いことだと思います。
今後が楽しみですね。