私たち演奏者は、楽器が完成された状態しか知りません。
スプルース、マホガニー、ローズウッド、エボニー、メイプル、アルダー・・・
こういった木材の名前は、音質や演奏性にどういった影響があるのか、という意味で知ってはいるものの、それらがどこで伐採され、現在どういった状況なのか、ということまでは知りませんでした。
有名になったのは象牙です。
違法取引の温床には、ピアノ、その他で象牙を使うと高価で取引される、という市場があると思います。
私は偽善者になるつもりはありません。
しかし、毎日のように手にしている楽器のために、貴重な自然が失われている、ということを知らない、というのは、普通に考えて「おかしい」と思うのです。
弘法筆を選ばずと言います。
実際には、やっぱり優れたミュージシャンは高価な楽器を持っていることが多いのですが、ギターに使用する材が危機的状況にある今だからこそ、危機的状況にはない材を使ったギターで美しい音を奏でる努力をするべきではないでしょうか。
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記事にありますが、テイラーといえば、マーティン、ギブソンに継ぐアコギブランドで、販売本数は今や全米1位です。
Yamagen "Rolling Stone" - NAMM 2011 with Taylor Guitars
私にとってのギターヒーロー、小倉博和さんも使っているアコギです!素晴らしいですねぇ・・・
そのテイラーが、こういった活動の支援をするということの意義はとても大きい。
演奏者である私たちがいくら使用を控えても、それに代わるギターが店頭に並ばない限り、選択肢がないので、結局エボニーが消費され続けるということになります。
まずはメディアが事実を報道する。
それを知った企業が動き始める。
市民は、それらで意識を変えていく。
そうやって社会全体の常識が変わっていくのだと思います。