山下達郎さんがNHK紅白の『AI美空ひばり』をバッサリ斬る。「一言で申し上げると冒涜です」 | ハフポスト
山下達郎さんらしい、歯に衣を着せないコメントですね。
紅白のAI美空ひばり、私も見ました。
正直な感想を言うと、映像としてのクオリティーはまだ未熟だと感じました。
動きにまだ不自然さが残ります。
一方、歌声に関しては、なかなかのレベルに達していると思いました。
ラジオで聞いたらわからないかもしれません。
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達郎さんや、そのコメントに賛同する人は、なぜあれを冒とくだと思ったのでしょうか。
「亡くなった方」を
「紅白」で放送した
という、どの部分が冒とくだと思ったのでしょう。
亡くなった方に対して、というところが冒とくならば、それがAIだろうが、動画だろうが、なんなら静止画であってもだめだ、ということになりますね。
実際にFBの賛同コメントには、亡くなった方を蘇らせることに疑問をいだいているものもありましたが、解像度の高い遺影や生前の動画もだめなんですかね?
AIのクオリティーが問題なんだとすれば、あれがリアルな人間と見間違えるクオリティーに達した暁には、冒とくではなくなる、ということですかね。
(テクノロジーなんで、間違いなく近い将来、本物と見分けがつかないクオリティーに達しますよ)
紅白、つまり全国放送の歌番組でというところが問題なのだとしたら、誰かがFBのコメント欄に書いていましたが、Eテレの特集とかだったら良い、ということですかね。
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昭和が生み出した最高の歌手、とも称される美空ひばりさん。
亡くなって結構な月日が経ちますが、今でも根強い人気がありますし、その歌声を聞けば納得するところも多い。
結果、神格化されて、そこに関わると冒とくという言葉すら生まれます。
でも、よく考えてみてください。
誰が誰を冒とくしている、と思うのか。
「NHK」が「ひばりさん」を、ですか?
「NHK」が、の部分は当たり前ですが、ひばりさんは冒とくされたんですかね?
本人は亡くなっているのに、なぜそれがわかるのでしょう?
おそらくひばりさんの最も近くにいた息子の加藤さんはこれに関してGOサインを出しています(番組中にそういった趣旨のことを確か言っていました)。
つまり加藤さんは冒とくだとは思っていません。
達郎さんやそのコメントに賛同する人たちは、実の息子である加藤さんよりもひばりさんの気持ちをわかっている、と思って代弁しているつもりでしょうか。
それこそ、ひばりさんや加藤さんに対する冒とくではないのでしょうか。
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最初にも書いたように、映像のクオリティーは未熟だし、加えて演出にも?と思うところはありました。
ただ、冒とくというワードはかなり強いワードで、多少のクオリティーの良し悪しや演出に対して使われるワードではありません。
つまり、ひばりさんに対する冒とく、という意味で使っていると受け止めて良いと思います。
でも、ひばりさんはもう亡くなっています。
本人がそれをどう思うか、なんて考えるだけ無駄です。
唯一それを想像できる可能性があるのは加藤さんくらいじゃないですか。
だから、私はAI美空ひばりを冒とくだとは決して思いません。
美空ひばりさんを尊敬しているから、そう思うのです。