どこにでも住めるとしたら、どんなところに住みたいか。
宝くじに当たったら何に使うか、という話のような感じで友人と話すことがありました。
- 海が見える家
- タワマンの高層階
- 田舎の一軒家
- 都会のど真ん中
人によっていろんな憧れがありますよね。
私は、といえば、都会と田舎の中間くらいで、交通の便もほどほどに良いし、買い物も徒歩圏内でだいたいそろうようなところ。
窓からの景色は、極端に悪くなければ大丈夫。
一日中日陰とかは嫌ですが、夜景が綺麗とか、海が見える、とかいうのは特に求めません。
要するに、無難な住まい、もうちょっと言えば地味な住まいです。
私にとっては、住まいって定食における白ごはんみたいなものなんです。
白ごはんって、すごく味が薄い。
でも、多くの日本人にとっては、欠かせない一品。
好きな食べ物はなんですか?と聞かれた時、カレーとか刺し身とかパスタ、という答えを言う人はいますが、白ごはんと答える人は(いるにはいますが)あまり多くない。
しかし、少なくとも日本人においては、人生で最も口にする食べ物は白ごはんではないでしょうか。
朝、昼、晩の全ての食卓に白ごはんがあることも珍しくない。
でも、朝、昼、晩の全ての食事がカレーや刺し身、ということはない。
一番好きなものでもないし、味もうすい。
でも最も口にしている食べ物、それが白ごはん。
白ごはんが、こういった確固たる地位を築けたのは、多分味が薄いから、つまり地味だからです。
味が濃いものは、やはり飽きがくる。
白ごはんが嫌い、というのは聞いたことがありますが、飽きたというのは聞いたことありません。
そして、地味といってもそこに「質」はあります。
白ごはんは、私が住まいに求めるものに似ているんですよね。
確かに家の窓から海が見えたら嬉しいかもしれません。
都会のど真ん中に済んだら、むちゃくちゃ便利かもしれません。
田舎の一軒家は、のどかですごしやすいかもしれません。
でも、私はすべてがほどほど、くらいで良いのです。
ずっと住んでも飽きない住まい。
白ごはんに質を求めるのと同じで、生活するのに必要十分な広さや利便性は求めます。
カレーや刺し身が食べたくなったら、海や壮大な景色を見たかったら、出かければ良い。
むしろ、家が地味だからこそ、出かけるのが楽しみになるし、帰宅時の安心感をたっぷりと感じられます。
出かけるのが大好きな私でも、最も長い時間をすごすのは自宅です。
だからこそ、自宅は地味で良い。
そう思いませんか?