練習すれば誰でもプロのギタリストになれるわけではありません。
同じ量練習しても、上達のスピードには個人差もあるし、仕事をもらえる運やタイミング、人脈などいろんな要素が関わってきます。
ただ、プロのギタリストにはなれなくとも、人前で演奏して恥ずかしくない、というレベルまでだったら、大抵の人には可能です。
そして、私が思うギター上達の肝は2つ。
リズムと完コピです。
リズムは、それが音楽か単なる音なのかを決定づけるものです。
音程がなく、打楽器だけでもそれが音楽的に聞こえるのは、リズムがあるからです。
逆に言えば、リズムが失われると、それは音楽の最重要部分が抜けている、とも言えます。
救急車のサイレンには、音程がありますが、リズムがないので、音楽と捉えるのは難しいでしょう?
それから完コピ。
弾きたい、と思う曲を完コピすることです。
コピーじゃなくて、完コピです。
バッキングからソロ、もしそれに動画があるなら、弾き姿までコピーするくらいの勢いで完コピします。
この2つを組み合わせるとどうなるか。
練習の順番としては
- どんなギター(フレーズ、バッキングなど)を弾いているかを理解する
- 理解したギター演奏を、とにかく「遅いテンポ」で「正確に」弾けるまでやる
- そのテンポで弾けるようになったら、少しだけテンポをあげて、また正確に弾けるようになるまで練習する。
- 2,3を繰り返し、原曲のテンポでできるようになるまでやる
この手順が唯一無二の方法です。
2に関しては、正確に、というところが重要。
絶対に間違わずに弾けるようになるまで、3にはいかない。
10回中9回はノーミスで弾けるようになるまではテンポを上げてはいけません。
また、正確にというのは、ギターのちょっとしたニュアンスも含めます。
神は細部に宿る、というやつです。
音の入り口、出口まで細かく気を使いましょう。
◆
上達のコツというやつもないわけではありません。
しかし、コツをつかめばすぐに上達するか、といえばそんなことは絶対にない。
コツは、伸び悩んだ時に、もう一度自分の演奏を見直し、先入観を捨てて取り組む際にサポートしてくれるものだと思ってください。
伸び悩んだときにサポートしてくれるもの、つまり伸び悩みを感じるくらい淡々と練習し続けた上での話し、ということですね。
取り組む難度は曲やフレーズによって様々ですが、基本はどんな曲もこのアプローチで十分です。
スケールの運指練習等も無駄ではありませんが、好きな曲を練習している方がモチベーションあがりますし、なにより音楽的で楽しいですよね。