音楽を始めるきっかけの一つに、感動がありますよね。
私の世代で圧倒的に多いのは、ライブを観て感動、居ても立っても居られなくなり楽器屋さんに行く、といったもの。
(それに次いで多いのが、モテたいというものですが、主旨がずれるのでこっちは割愛)
最近は、きっかけが動画ということも多い。
そして、同世代の音楽好きで集まって話していると、こういうきっかけで音楽を始める人を嘆く意見が多いんですよね。
私だって、動画よりも生ライブのほうが好きです。
でも、だからといって動画に感動し音楽を始める、という人を嘆くことはありません。
何で感動するかは、人それぞれです。
よくよく考えてみれば、私の世代が影響を受けた生ライブだって、アンプやスピーカーなどの音響機器を通って聞いた音をならしています。
はっきり言っちゃえば、偽物の音です。
どのくらい前まで遡ればよいのかわかりませんが、まだアンプやスピーカーが普及していない頃に音楽を聞いていた人からすれば、私たち世代の音楽に対する感動ですら、「偽物の音に感動するなんて・・・」と嘆かれるのかもしれません。
そんなこと言われたって、という感じでしょう?
感動するものはする、自分に嘘はつけません。
同じことが現代でも言えます。
You Tubeがサービス開始したのは2005年。
その年に生まれた子は今16歳。
音楽を自分の意思で始める年齢としてはごくごく当たり前です。
私たちが、生まれた頃からすでにあった偽物の音に感動したのと同じように、今16歳の子が生まれた頃からすでにあるYou Tubeに感動するのは至極当然です。
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懐古主義に陥る人は、時間軸の中心が自分自身で、過去は古き良きもの、先は新しいもの、と思っています。
過去の古き良きものは昔の人にとっての先端技術だし(だから、多少なりとも非難されただろうし)、先の新しいものは若い人にとってのデフォルト(=新しいものではない)の技術です。
今の若い世代が「昔はティックトックがあって良い時代だったなぁ」って嘆くような大人になってほしくないな、なんて思います。