最近は健康ブームらしく、書店に行くとダイエット系の本やトレーニング系の本が平積みされているのをよく見る。
当たり前だが、不健康よりも健康のほうが良いに決まっている。
ただし、だ。
健康だから幸せ、と言い切れるものだろうか。
例えば、最近肩身の狭い思いをしている愛煙家の方々。
たばこ税増税で値段はあがり続ける。その一方で、街中からは喫煙場所がみるみるうちに減っていき、愛煙家はまさに隅に追いやられている。
(余談だが、自分はタバコは一本も吸ったことがない)
しかし、それでも吸い続ける人が結構いるのは、やめたくてもやめられないという理由だけだろうか。
少なくとも、自分の周りにいる愛煙家には、タバコを吸うこと自体を楽しんでいるから、やめたくないと言う人も少なからずいる。
こういう人にとって、健康の為にタバコをやめることは、本当に幸せにつながるのか、はなはだ疑問だ。
また、ダイエットに関してもそうだ。
好きな食事を制限して理想の体型を手に入れ健康になること。
好きなものをたべて、美味しさを存分に味わうこと。
この二つを天秤にかけて、後者に傾く人だっているだろう。それは意志が弱いのではなく(そういう人もいるが、、)、どちらが幸せかの選択をしているに過ぎない。
小林カツ代/「安全」や「自然」より、「おいしい」料理がいちばん大事 - 学びの場.com
随分前にこの記事を見た時は、本当にそうだと思った。
つまり、このブログによく書く、原因と結果の逆転がここにも起きているのだ。
健康だから幸せなのではない。
幸せになるために健康という手段を選ぶ人もいる、だけだ。
もっと言えば、健康というのは、幸せのための手段の中のたったひとつでしか無い。
自分の祖母は先日100歳で亡くなった。
誰に言っても大往生だといってくれるし、自分もそう思う。
晩年は、食べてはいけないと言われたものもどんどん食べ(自分に似て頑固だ、、)、介護士の方々を結構困らせたものの、最期まで笑顔の耐えない人だった。
食べたいものを我慢して、少しだけ遅い最期を迎える人、
食べたいものを食べて、少しだけ早い最期を迎える人、
どちらが幸せかは誰が決めるのか。
当然本人だ。