少し前に書いた記事とかぶりますが、改めて。
上のリンク、気をつけて読まないといけませんね。教則系の本や記事は、それがどのくらいのレベルの人に対して書かれているのかを確認してから読んだほうが良いでしょう。
日本人は特に、基礎が好きです。国民性の表れなのかどうかわかりませんが、王道を一歩ずつ、という人が多い印象です。
基礎は確かに大切です。そして統計や経験に裏打ちされた「このやりかたが正しい」みたいな内容は、大まかに言って正しいのです。
そういう意味では、この記事に書いてあるピックの持ち方の考察は正しいと言えます。
しかし、繰り返しますがそれはレベルによります。
身体を使って楽器を演奏する以上、身体の使い方と演奏は密接に関係があります。そして、身体はすべての人が違うものです。
身体だけではなく、力の入れ方なんかも各々で違うでしょうね。
考えてみれば、ピックを持つ時にどのくらいの強さで持っているのかって、各々のさじ加減です。
もちろん力み過ぎはよくない。かといってゆるく持ちすぎるとピックが落ちてしまいます。そんな中で、このくらいが丁度良い、という力加減を学んでいきます。
最終的に行き着いた力がどのくらいなのか、というのを数字でちゃんとはかったデータは多分存在しません。
個人データならあるでしょうが、考察に十分なサンプル数(少なくともプロ100人くらいは必要でしょうね)を調べたデータは見たことがありません。
ピックの持ち方も同じで、指の長さ、関節の柔軟さから果ては指先の汗ばみ具合まで関わってきます。
ギターを弾く時に、最終的に大事なのは言うまでもなく「音」です。
逆に言えば、目指した音さえだせれば、その方法はなんだって良いわけです。
例えば好きなギタリストがいて、そのギタリストと同じ音が出したい、とします。
機材や楽器は全く同じものを使っても、全く同じ音ってなかなか出ないものです。
では、そのギタリストと同じ弾き方を真似したら同じ音が出ると思いますか?
多分出ません。
繰り返しますが、見た目上同じように見えても、見た目からは判断できないような違いがあるからです。その中の一つが力加減ですね。
ではどうすればよいか。それは、いろんな弾き方を試してみて音を近づけていくしかないのです。その結果たどり着いた弾き方が、好きなギタリストの弾き方とぜんぜん違う、なんてことはよくあることです。
ギターという大衆に愛されている楽器は、その分だけ弾き方も自由で良いのです。大切なのは音。その音に近づく飽くなき探究心が必要とされます。
正しい弾き方が良い音をつくるのではありません。
良い音が出る弾き方が(その人にとっての)正しい弾き方なんです。
ある程度のレベルになるまでは必要かもしれませんが、それ以上になったら弾き方にこだわるのではなく、音にこだわることを忘れないようにしましょう。