日々じゃーなる

日々の生活でおもったことをなんとなく、でも結構まじめに綴るブログです。 趣味は読書とビリヤード。仕事は音楽関係。

音楽市場の大きさが表すもの

日本の音楽市場不況が叫ばれて久しいものです。

しかし、不況なのは音楽だけではないですし、そもそも音楽市場の大きさに相場はありません。

つまり不況か好景かは比較でのみ判断されます。

そういう意味では、1990年代爆発的にCDが売れた頃に比べれば不況ですが、当時が過熱という見方もできるわけです。

ところで、音楽市場の大きさって、その場の経済的な余裕を反映します。

いきなり大きな話ですが、日本もかつてとても貧乏でした。言うまでもなく戦後です。

日本中が焼け野原だらけで、ほとんどすべての日本人が、明日生きていくのに必死だった時代です。

こういう時代に音楽市場って大きくなりようがありません。

音楽は人にとって必要不可欠なものですが、そうはいっても食べ物にはかないません。

当たり前ですよね。明日から1週間音楽を聞かなくても死ぬ人はいませんが、明日から1週間何も食べなかったら死ぬ可能性があります。

戦後国全体が貧乏な時代は、その食べ物すら満足になかったのです。

時代は変わって今はどうですか?

お金がなくて食べ物に困っているひとがいることは知っています。

しかし、社会全体としては飽食の時代です。スーパーから食材が消えたのを見たことある人は少ないでしょう。お金さえ出せば食事はできる、というのは少なくとも日本全体として食べ物には困っていないということです。

とりあえず食べ物のこと「だけ」を考える時代ではなくなった現代、だからこそ食べること以外の幸福感を求める余裕が社会に出てきます。

その一つが音楽です。

そして音楽市場が大きいというのは、食べ物、その他生活に必要と言われる衣服、住まい以外にもお金を使っている人が多くいる、ということを表しています。

もちろん、国家体制なんかも影響します。日本には職業選択の自由が当然のようにありますが、そうでない国もあり、その場合はいくら経済的余裕があっても音楽市場は大きくありません。

音楽市場の大きさはつまり、経済的余裕と国家が国民にどれだけ自由を保証しているかに影響されます。

ちなみに、音楽市場世界一はアメリカです。

アメリカはもちろん自由の国、そしてGDPも世界一です。

それから上に書いた、日本の音楽市場がとても大きかった時期、それは日本のバブルが弾けるか弾けないか、の時期です。

ともに納得のデータですね。