https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181018-00000109-sph-ent
話題になってますね。 これは確かに良くないと思います。しかし、責任は沢田さんよりもむしろ事務所側にあると思います。
音楽業界にいたらわかりますが、アーティストというのはやっぱり普通の感覚の持ち主ではありません。 だからこそ、多くの人がそれに魅了されます。キャラクターも含め、その辺にいそうな人が人気を博すのは難しい。
普通の感覚でないことはもちろん悪いことではないのですが、細かい行動ひとつひとつを見ると、その中にはやっかいなものもあります。 例えば時間。時間を守らないアーティストっていっぱいいます。 サラリーマンで時間にルーズだと、特に日本では厳しい目で見られます。最悪解雇もありえるでしょうね。 しかし、アーティストはそうはいきません。 断っておきますが、時間にルーズでも良いとか、アーティストはみんな時間にルーズだと言っているわけではありません。 事務所がアーティストに所属してもらっている根本的な理由が「アーティスト性」なので、時間にルーズなこととそのアーティスト性を天秤にかけたときに、どちらが大切かは自明だということです。 しかし現実問題として時間にルーズだと困ることがたくさんあります。
そういうときの出番が事務所です。 時間にルーズなのを見越して、かなり前持った時間を伝えるとか、嘘の時間を伝えるなどの方法をとります。 まさしく嘘も方便です。
こうすると、アーティストも仕事を失わない、時間の問題は起きない、すべてが丸く収まります。
アーティストを所属させるというのは、サラリーマンを雇うのとはわけが違います。 雇う側と雇われる側がより対等に近いし、だからこそ駆け引きが必要です。サラリーマンのそれとは全然違います。
今回の問題で、客席がうまらなくても、来てくれたファンのためにやるのがプロだ、というコメントが多いようです。 確かにそのとおりです。 しかし、それを調整するのは事務所なのです。 実際に記事を読むと、沢田さんは前々から、客席がうまらないようなライブはしない、と言っていたそうです。 だから、こういったことになるのは想定できるし、想定できないとダメなんです。
社会の秩序とアーティスト性というのは、ときに折り合わないことがあります。 そのあいだにとってバランスをとるのが事務所です。 実際に今回のこの記事で沢田さんのイメージが落ちて打撃を受けるのもやはり事務所です。