アイドルやジャニーズなど、めちゃめちゃ売れっ子なんだけどアーティスト自身が作曲をしない、ということはたくさんあります。 そういうアーティストの曲を作るのはもちろんクリエーターです。
ここで、作曲とはなんぞや、というのをおさらいします。 作曲とは、曲を作ることです。 アホか、と言われそうですが、これが意外にそうでもありません。なぜなら、「曲」と「楽曲(作品)」の違いを知らない人が多いからです。
楽曲ではなく、曲とは何か
曲とは、基本的に「メロディー」と「コード」の組み合わせのみを指します。どんな楽器で、どんな構成(Aメロとかサビとか)で、どんなKEYで、という部分は含まれません。 混同しやすいのが、編曲(アレンジ)で、上記は編曲に含まれます。
最近は作曲に使うDAWというソフトの高機能化が進んでいるので、曲のオーディションといってもガッツリと編曲が行われた応募作品も多く、ならばそのまま編曲も採用しよう、となって「作編曲:◯◯」となります。 基本的には、作曲と編曲は全く別だと思っていてください。
さて、楽曲の良さを決める要素は様々ですが、ここでも作曲と編曲が混同されがちです。 繰り返しますが、DAWソフトが優秀なので、かなり凝った編曲が個人レベルで購入できるコンピュータでも可能になったことが原因だと思われます。 太いキックの音作りを目指したEDM系の楽曲や、ループ系素材の活用などは、一昔前に比べて非常に簡単にできるようになりました。
しかし、楽曲には関係あっても、作曲にはこれらは関係ありません。作曲はメロディーとコードです。 そして、お金の話ですが、作曲者は印税、編曲者は取っ払いです。このシステムが表しているのは、作曲能力に対するリスペクトです。つまり、曲(しつこいようですがメロディーとコード)を作った人がもっとも対価を得られるようになっているのです。
クリエーターを目指している人へ
いまクリエーターを目指している人は、必ずDAWソフトが必要です。上にも書きましたが、応募する段階でかなりの編曲を施すのが当たり前になってしまった現代では、DAWソフト以外での曲提出はまったく現実的ではありません。 しかし、そのソフトに入っているプラグイン(音やエフェクト)で作曲能力があがるかというと、そんなことはまずありません。 実際に、DAWソフトに落とし込む前にスマホのボイスメモで記録しておく、という方法は今でも多くのクリエーターがやっています。その時点で曲のレベルが高いかどうかが重要です。
職業柄、「曲を作ったので聞いてください!」と言われることがかなりあります。 その中には、えらく凝っている曲もたくさんありますが、曲として採用するかどうかの決めてはメロディーとコードで、採用担当者はそこを最も重要視して聞きます。編曲ももちろん聞いていますが、優先順序はメロディーとコードです。
クリエーターを目指している人は、今日から、好きな楽曲のメロディーとコードだけに着目して聞いてみてください。意外に違う聞こえ方がしてきます。そこに注目できない人は、クリエーターには不向きと言えるでしょう。