日々じゃーなる

日々の生活でおもったことをなんとなく、でも結構まじめに綴るブログです。 趣味は読書とビリヤード。仕事は音楽関係。

久しぶりにテレビのニュースを見て残念だったとおもうこと

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先日ピアスや刺青についての投稿をした。
その後くらいに、自分の子供に十分な食事を与えずに死なせてしまった、という痛ましいニュースをテレビで見る機会があった。

 

こういった事件のニュースで昔からお決まりなのが、「町の人の声」だ。
今回も、逮捕された容疑者らの近隣住民の声が、顔が見えないように、そして同じみの変声機を通した声でいくつか紹介される。
 
その内容は、「耳だけでなく、顔や舌にまでピアスをしていました」や、「金髪で怖い感じだった」というもの「だけ」だ。
 
本当にやれやれ、である。
 

報道は公正に行うべきじゃないのか

 
このインタビューの結果は、偏り過ぎも甚だしい。
まず、紹介された人は、年齢層もみな同じくらい(40代くらい)で、しかも女性。
こういった層に限定してインタビューをしたのか、それともこういった意見だけを紹介したら、その層がたまたま偏っていたのかは分からないが、どちらにしても公正とは程遠い。
 
報道機関は、ピアス業界や金髪の人に対して何か恨みでもあるのか。
こういったインタビューを紹介して、視聴者にどういったことを伝えたいのか。
「ピアスや金髪は犯罪を犯しやすい」という無言のメッセージを伝えたい感が満載だ。
 
こういった報道の仕方をすると、ロジックを逆転して受け取られる可能性があるから怖い。
 

ロジックの逆転

 
はっきりとした統計は分からないが、重大犯罪を犯した人に占めるピアスをつけている人や金髪の人の割合が仮に高かったとしよう(あくまで「仮」の話)。
しかし、これは、重大犯罪を犯した人の中で分析しているに過ぎない。
つまり、逆は成り立たないということだ。
 
どういうことかと言うと、ピアスをしている人や金髪の人が重大犯罪を犯しやすいというわけではない、ということだ。
 
これとは正反対の報道もよく見かける。
 
今回と同じく、重大犯罪者の近隣住民へのインタビューで「街で会ったら笑顔で挨拶する良い人でした」的なものだ。
最近は、ごくたまにしかテレビのニュースはみないので分からないが、ネット普及以前に見ていたテレビのニュースでは、心の底から飽々するほど、同じ構成のニュースが流されていた。
 
街で会ったら笑顔で挨拶するからどうと言うのだ。
良い人に見えても、犯罪を犯す人はいる、ということを伝えることは、そんなに大切なことなのか。
そうやって、人を疑心暗鬼させることを、注意喚起と履き違えていることに気づかないのだろうか。
 
こういうスタイルで報道するということは、つまり一般的には、こういう良い人に見える人は犯罪を犯さない、という前提がある、ということになるが、そんなデータがどこかにあるのか。
 

報道は、国を良くも悪くもする

 
国の報道のあり方は、その国の鏡だと言われる。
報道機関は、その使命を間違いなく背負っている。
そのことを改めて認識してもらいたい。
 
報道のプロならば、誰でもが発信できるネット情報よりもはるかに上質のニュースを報道してほしいと願うばかりだ。