浅川幸子さん死去 地下鉄サリンで脳障害 闘病25年、寝たきり(時事通信) - Yahoo!ニュース
オウム真理教関連の事件は、絶対に忘れてはいけない事件です。
なぜなら、この事件は、いつでも誰でも起こす可能性があるからです。
学ばないと防げません。
オウム真理教関連のブログでは、馬鹿の一つ覚えみたいに同じことを書いていますが、今回もめげずに同じことを書きます。
いち宗教団体が殺人集団となった結果起こった最悪の事件。
この事件の特徴は、幼少期に酷い虐待を受けたとか、経済的に困窮していたとか、そういう犯罪者に当てはめがちなイメージが全く当てはまらないことです。
むしろ、どちらかと言えば社会的には地位が高い職業につけそうな人のほうが多い。
医者、弁護士、有名大学の学生など。
ちなみに、優秀と思われていた人たちが起こしたテロとしては、これよりも前に連合赤軍の事件があります。
何かしらの重大事件が起き、犯人が捕まると、その犯人の生い立ちを報道機関が調べ上げ、犯罪に結びつかせるような過去を紹介することがあります。
人々はそういう報道を見て犯行と関連付けることにより、「自分はそんな生い立ちではないから大丈夫」という安心感や優越感に浸り、「特別な人が起こした事件」と結論つけたがります。
自分とは関係ない、どこか遠くの人が起こした事件だ、くらいに意識するのです。
人が起こす事件は、そんなに単純ではありません。
堂々巡りになりますが、安直に植え付けられた意識が知らぬ間に、恵まれない家庭環境の過去を持つ人に対する差別意識を作り上げ、社会での生き辛さにつながり、その先に犯行がある、といったことも十分に考えられます。
もちろんそれでも犯罪は正当化できませんが、安易に犯行と犯人の生い立ちや過去を関連付ける大衆には、全く責任はないのでしょうか。
また、ありふれた生い立ちや過去を持つ私達やその周りの人が、犯行に及ぶことなんてあるわけがない、という根拠のない自身を持っていないでしょうか。
私達の価値観は、思っている以上に不安定で変わりやすい。
まだ戦後100年も経っていませんが、戦時中はアメリカ兵を殺すことが正義、という価値観を日本全体で共有していたのです。
価値観なんて、環境によってあっという間に変わります。
実際に、いじめで誰かが自殺し、いじめた犯人がつかまると「みんながやっていたから、冗談でやっていた」という周りから見ると信じられないようなコメントが出てきます。
あれは嘘じゃなくて、本当にそう思っていたのでしょう。
オウム真理教関連事件から私達が学ぶ最も大切なこと。
それは、私も含め、誰でもおなじような犯行に及ぶ可能性を秘めている、ということをちゃんと意識すること。
頭のおかしな人たちが起こした事件、ではなく、私達も加害者になったかもしれない、と思う当事者意識をもっていないと、また同じような事件が起きる、ということを考えておくことだと思います。