日々じゃーなる

日々の生活でおもったことをなんとなく、でも結構まじめに綴るブログです。 趣味は読書とビリヤード。仕事は音楽関係。

綾部氏ニューヨークへ

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海外で生活するということ

 
ニューヨークへ行きたいか!
 
これに対して
「オー!!」
と答えるのは、某有名企画の名物だが、この場合は旅行的な要素が強いだろう。
 
一方、場所はニューヨークに限らないが、海外に行って生活してみたい、と思っている人も、肌感覚ではかなり多いと感じる。
 
ところで、今の自分を変えたいですか、という質問に対しての答えはどうだろうか。
これも同様の、自分の単なる感覚でしかないが、かなりの確率でYESという答えが返ってくるのではないだろうか。
 
海外に行って生活してみたい。
それはもしかして、自分自身の何かを変えたいと思いつつ、何から手をつければよいかわからないので、わかりやすく、「環境」を激変させてみよう、ということなのかもしれない。
 
たしかに、海外で生活するとなると、何もかもが変わる。
まず、日本での立場や地位・名誉、人脈などの殆どはゼロに等しくなる。
そこまでなら、国内で仕事をやめて、知り合いがいない地域に引っ越すのと変わりないのかも知れないが、海外の場合はそれにもまして、言葉や文化が違うので、様々な不都合・不便が生じる。
国によっては、後戻りするのにも相当な(交通費や精神的なものも含めた)エネルギーを使う。
 
これが劇的な変化でなくてなんと呼べばよいのか。
 

準備は程々にして、行動を 

 
さて、海外に行って生活したい人が多い中で、それを実行に移せる人はどのくらいいるのだろうか。
 
もう一度自分の勝手な肌感覚による統計を持ち出して申し訳ないが、
昔に比べて、ワーキングホリデービザなどがあり、海外生活がしやすい制度があるにも関わらず、それを実行できる人は一握りだ。
 
そこにはいろいろな理由があるだろう。
実際に出国のための身辺整理、入国に必要な最低限の知識を得ることや事務的な手続き、その他何かと面倒だし、言葉、金銭面の不安も多い。
最終的に帰国が前提ならば、その分日本での就職が遅れる、またはブランクができるということも不安要素になりえる。
 
自分はそんな中でもなんとか海外生活にこぎつけたが、行くまでは上記した理由で、渡航に対してひたすら自問自答したものだ。
 
日本は先進国で稀にみる治安の良い国、食事も美味しく、水道水も飲める。
そんな中で、どうしても海外にいかなくてはいけない、確固たる理由というのは、実は無いのだ。
反対に、行くことをためらう理由がたくさんあるのは上述した通りだ。
 
しかし、考えてみよう。
自分を変えたいという気持ちが根底にあるのならば、そのために起こす行動がスムーズにいくはずがない。
寧ろ、そこがスムーズにいかないから、変わることのできるきっかけになりえるのかもしれない。
 
堀江氏の書いた「ゼロ」という本の主旨に近い感覚かもしれないが、海外に行ってからすぐの状態は、あらゆる意味で「ゼロ」だ。
 
つまり、既に身につけていたはずの能力や人脈をリセットし、「考えながら」再構築を目指さなければいけない。
 
だから実は、海外での生活に、スムーズさを過度に求めるのは本末転倒。
確かに、最低限の言語や国の知識、通貨などのことも知っておくことは大切だが、かといって「準備万端」と思えるまでひたすら準備を続けていると、気づいたらかなり年をとっているはずだ。
 
綾部氏は、英語が全く話せないらしい。
目標は「Bigになること」という、なかなかに漠然としたものだ。
そんな彼に対して、無鉄砲過ぎるという批判も聞こえてくる。
 
しかし、自分の経験論で申し訳ないが、とにかく行ってしまえばどうにかなる、という部分が多分にあり、裏を返せば、いくら準備をしていっても、準備をしていない状態との差異は誤差レベルだ。
 

夢を追いかけることは理想論にとどまらない

 
そんなことよりも、40歳あたりの年齢で、多くの人が「もう夢をおいかける年齢ではない」と言うことをはねのけて、ニューヨークに旅立つ綾部氏は、本当に本当に素晴らしい。
 
頑張れば成功する。
そんな無責任なことは誰も保証してくれない。
 
それでも、その行為自体が多くの人に夢を与えてくれるのではないだろうか。
 
環境が整っているのに、面倒・不安で重い腰が上がらない人が、彼の行動に触発されて動き出したら、それこそ素晴らしいことに違いない。