今日は、
「それまで日本とヨーロッパだけで発売されていいたコンパクトディスクとプレイヤーが全世界で発売開始」
された日だそうです。
コンパクトディスク(以下CD)は、その名の通り「コンパクト」な「ディスク」として一世を風靡しました。
音楽の世界においては、それまでのレコードがほとんどCDに置き換わりました。
コンパクトだということもそうですが、デジタルなのでノイズレスな音、曲の頭出しが1秒未満で可能なこと、再生する曲順をプレイヤーの設定でカスタマイズすることやリピート、シャッフルプレイが出来るようになったこと、など、レコードからCDに変遷していった理由はいくらでもありました。
時代が変わって、現代ではCDを「コンパクト」だということには、若干の違和感を感じざるを得ませんね。
手元にあるスマホには、CDアルバム数百枚分を入れることができ、そのことですらデバイスのほんの一部の機能に過ぎません。
時代の変化を感じます。
今でもCD愛好家は多く、データで音楽を聞くのが当たり前になった現代でも、実物の所有欲を満たそうとしています。
しかし、音楽の世界と若者は切り離せません。
その若者はちっともお金がありません。
音楽は好きだけれども、お金がない、という人にとって、音楽とは直接関係のない所有欲の優先度は、たとえあったとしても必然的に下がってしまいます。
これは至極当然です。
音楽ファンは、音楽が好きなのであって、それをどういった媒体で聞くのかは、ぶっちゃけてしまえばどうでも良いからです。
音楽という要素の中には、ライブ性も含まれるのでしょう。
だから、ライブに行って楽しむ、という行為は、お金がかかっても、労力がかかっても、時間がかかっても、今後も末永く続くと思います。
それに比較すると、音楽という要素に占める、媒体の割合は、どうやら低そうです。
はっきり言ってしまえば、CDはその役目を終えつつある時代だと思います。
それは悪いことでもなんでもありません。
かつてレコードが廃れていったのと同じで、良い悪いではなく、時代の移ろいです。
これによって、レコード会社、CD販売店、物流業者など様々なところのコストカットが起き、業界再編性によって淘汰される企業、人もあるでしょうが、これも致し方ありません。
車が普及して飛脚がいなくなったのと同じです。
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ところで、昔はCDといえば音楽だったのですが、パソコン普及以降はデータ保存媒体としても使われます。
結局CDもデジタルで、つまりデータなので同じことですね。
しかし、CDRには注意が必要です。
市販の音楽CDと、量販店で販売されているCDRは、姿形がそっくりですが、記録方式が全く違います。
結果手的には、CDRにデータや音楽を保存すれば安心、ということは全くありません。
バックアップには、実は不向きです。
CDRは「焼く」という言葉を使いますね。
あれは実際、表面をレーザーで焼いているからそう呼ぶのです。
一方、市販の音楽CDは、掘っています。プレス工場にある専用機でないとこれはできません。
この違いが、耐久性の違いに表れます。市販の音楽CDは、何年たっても物理的な損傷がなければ機能しますが、CDRは表面が結構剥がれ、機能しなくなります。
実際自分のCDRも剥がれたことが何度かあります。
データの読み取りなんてまったく出来ないので、バックアップには不向きです。
パソコン内やクラウドに比べて、CDRという「実物」で所有していたほうが安心と思っている人、痛い目を見ることになってしまいますよ。