日々じゃーなる

日々の生活でおもったことをなんとなく、でも結構まじめに綴るブログです。 趣味は読書とビリヤード。仕事は音楽関係。

リズム感と”足”

音楽の三要素は、リズム、メロディー、ハーモニーです。

ハーモニーはコードと言っても差し支えないでしょう。

 

しかし、世の中にはメロディーやハーモニーがない音楽というのは存在します。

アフリカ民族の音楽等は、打楽器のみで構成されます。

 

かといって、リズムがない音楽というのはほとんど見当たりません。

誤解されないように、リズム楽器がなっていない(聞こえない)音楽という意味や、テンポが一定でない音楽がないという意味ではありません。

アコースティック音楽にはリズム楽器が入っていないものがたくさんありますし、アッチェレランド、リタルダントといった速度変化はPOPSでも頻出します。

リズムという概念がない音楽、というのがほとんどない、という意味です。

 

例えば、机をたたいて音を出すと、それは音、もしくは騒音、雑音でしかありません。

しかし、それにアクセントをつけ、テンポ感を付加すると、突然音楽に変わりします。

打楽器は基本この延長にあります。

つまり、アクセントやテンポ感に意識がないものは、いくらそれが高価なドラムセットで出した音であっても、音楽にはなりえないんですね。

 

リズムは音楽の三要素のなかでも重要度がアタマ一つ出ています。

とにかく大切。

しかも、リズムはメロディーやハーモニーの良さに比べて少し「見えにくい」ので、それを鍛えるのも一苦労です。

端的に言えば、リズムトレーニングは地味です。

 

さて、リズムをとるのに、フットスタンプというものがあります。

これは、どんな楽器を演奏しているときも、足で4分および8分を刻んでリズムを安定させるというもので、教則本音楽学校で習った人も多いのではないでしょうか。

 

しかし、本当にフットスタンプはリズムトレーニングとして有効なのでしょうか。

 

結論から言えば、ある程度までは必要なものの、上級になるとあまり意味がありません

 

いやいや、フットスタンプは誰もが知る一流のプレイヤーだってやっているよ、という反論を受けそうです。


ERIC Clapton-Unplugged-DVD-Rip,,Divx 502,Proby..Kirtoukon...

 

クラプトンの中で最も売れたアルバム、アンプラグドのライブ、これなんか見ると、めちゃくちゃ大きくフットスタンプをしていますね。

 

しかし、クラプトンはこのフットスタンプがないとリズムがキープできないのでしょうか。

クラプトンに会ったことは残念ながらありませんが、おそらくフットスタンプがなくても余裕でリズムキープできます。

クラプトンは、フットスタンプをしないといけないからしているのではなくて、してもしなくても良いという中で、見た目を考えていると思われます。

じーっとした演奏は、見た目にはあまりおもしろくないですよね。

 

なぜフットスタンプがなくても演奏できる、と言い切れるのか。

一つは、レコーディングです。

打ち込みやノイズ処理といった技術が高くなった現代とはいえ、今でも生の録音は、音楽現場の主流で、フットスタンプの音量は小さいものの、高感度のマイクならば確実にその音を拾ってしまいます。

こうなると、あとの処理が面倒ですね。

一流のプレイヤーは、レコーディング経験も豊富なので、フットスタンプがなくてもリズムキープできるようになっています。

(レコーディング時は、もちろんクリックは使用します)

 

しかし、もっと大切な理由があります。それは集中力です。

フットスタンプをし続けるというのは、僅かであっても、それをするという行為に集中力を取られています。

しかし、針の穴を通すようなタイミングで演奏するときに必要なのは、何はともあれ集中力です。

足なんか揺らしていると、心も揺れてしまいます。

 

 

リズムに悩んでいる人がいたら、

初級:メトロノームをつかって

中級:フットスタンプ

上級:なにもない状態

で練習しましょう。

 

少なくとも、フットスタンプ至上主義は捨てたほうが良いと思います。

そもそも、足で刻んでいるそのリズムが正しいという保証は全くない、ということに早々に気づかなくていけません。

 

上記したように、フットスタンプをしながら演奏すれば、リズムが良くなる、ではなくて、なくても演奏できるようになっておく必要があるのです。

 

この動画では、残念ながらもう亡くなりましたが、日本の誇る名プロデューサの佐久間さんがそれを言っていますね。

セミナー名は奏法ですが、それ以外に役立つことをたくさん言っています。

参考にしてみてください。

youtu.be

 

 

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