音楽といっても、その幅は本当に広い。
それは当たり前なのかもしれません。
なぜなら、音楽の定義自体が「ざっくり」しているからです。
例えば、遠くから聞こえてくる救急車のサイレンの音を音楽だと思う人は少ないはずです。
しかし、その音をサンプリングして、曲中に効果音として取り込んだり、リズムに合わせてならせば、音楽として聞こえてきます。
ドラムは音楽と言えますが、子供が遊びでバンバン叩いている太鼓は騒音に聞こえます。
リズムに乗っているかどうかというのは音楽なのか否かということで言えば大きな基準になりますが、リズムがない、ビートもない音楽というのも存在するので、絶対的な基準とも言えません。
つまり、結局のところ作った人が「これが音楽です!」と言えば音楽になっちゃいます。
良くも悪くも、です。
さて、タイトル通り、そんな幅のある音楽の中で、クラシックと商業音楽には結構差があります。
誤解を恐れずに言えば、クラシックは音楽本来のものを求め、商業音楽は聴く人の共感を求める傾向にあります。
クラシックは素晴らしい音楽ですが、オリコンチャートに入ることはありません。音源販売という意味では、売れるものではありません。
逆に、クラシックの人ほど演奏技術にストイックに向き合う商業音楽の楽器演奏者もいないでしょう。
これらは、違いであって優劣の問題ではありません。
あってはならないのは、各々の世界にいる人が他方の世界にいる人を見下すようなことです。
私は商業音楽の方にいますが、クラシックに対しても敬意を払っています。
私の周りには、「クラシックなんて、お高くとまったやつらの古臭い音楽だろ?」という人がいますが、そういうときはソフトに諭します。
逆の印象を受けることも多い。
クラシック畑の人と話していると、言葉の端々に、「私たちこそが本当の音楽を奏でているのだ」と思っていることが見受けられることがあります。
本当の音楽という言葉ですが、冒頭に書いたように音楽の定義はざっくりしています。
クラシック音楽というのは、ならばもう少し限定されますが、だとすれば本物の商業音楽という言い方もできてしまいます。
私はクラシック畑ではないのでわかりませんが、その世界にいる人にはわかる、クラシック的音楽クオリティーというのがあるのでしょう。それは技術なのか、それ以外の何かはわかりません。
一方、商業音楽には、もう少しわかりやすい基準が存在します。
売れているかどうか、です。
もちろんそれが全てではありませんが、一つの基準にはなりえています。
オリコン1位と3位の差は「人によって感じ方が違う」と言えるのかもしれませんが、オリコン1位と100位には結構な差がある、といった感じでしょうか。
音楽の優劣は、限りなく個人的なもので、少なくとも音楽ジャンルに優劣はありません。
音楽が好きだからこそ、そこは皆さんに履き違えてほしくない、と思います。