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今朝のニュースです。
こういう記事をみると、本当に時代は変わりつつあるなぁ、としみじみ思います。
というのも、私が社会に出た頃あたりまでは、社会的地位の高低と管理職は、切っても切り離せない関係、という風潮でした。
成功=管理職だったわけです。
それが今は必ずしもそうでないのですから、(良い意味で)驚きです。
労働は、社会を表わす鏡と言って良いでしょう。その労働のあり方が変わるというのはつまり、社会全体の変遷を意味しています。
だからその変遷も必然的に、じわりじわりとしたものになりますが、いまの変遷の早さはそういったことを加味すると、かなりスピーディーだなと感じます。
正直もっと時間がかかるのでは、と思っていました。
もちろん、弊害がないのならば、その変遷は早ければ早いほどよいと考えます。
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なぜ管理職に対するイメージがネガティブになってきたのでしょうか。
それは、管理職にならなくても成功できる生き方、働き方が選択肢として増えたからではないか、と思っています。
管理職という言葉は、管理される側と管理する側がいて初めて使われる言葉です。
つまり、1人ではなく複数の人間が集まって、ということになりますね。
会社が複数の人間を雇う理由は簡単です。
1人では出来ない業務量、業務内容を、みんなでやることによって実現したい、ということです。
1人で出来ること、出来ないことは、テクノロジーの影響をモロに受けます。
テクノロジーがもたらす影響の最もおおきなものは効率化であることは言うまでもありませんが、効率化するというのは、10人でしかできなかったことが5人で、いや1人で出来るように変わることや、1時間かかった業務を5分で出来るように変わることです。
つまり、時代の進化とともにテクノロジーが進化すると、複数人でしかできなかったことが反比例して減ります。
具体的な例を出しましょう。例えば私のいる音楽業界。
CDやデータ配信などの音源を制作する工程は、おおまかに言うと
- 企画
- 制作
- 宣伝
- 製造
- 販売
です。昔はこれらの工程にたくさんの専門業社が関わっていました。
工程ごとに担当する会社が違うわけですね。
これが今は個人で出来るようになっています。
企画はバンドで集まって考えられるし(これは昔から出来ますが)、制作はDAWソフトというコンピュータのソフトウェアでできます。このコストは、ソフト・ハード共に年々下がり続けています。使いやすさは逆に飛躍的に上がっています。
宣伝はホームページ、SNSを活用、製造はCDならプレス工場に自分達で発注、データならば、そもそも製造という工程自体が存在しません。
販売も、自身のサイトで売ることも出来るし、データならばiTunesで販売することは今や誰でもできます。
ミュージシャンと、ミュージシャンが所属している事務所も、いわば管理される方とする方という構造ですが、上記したようなことが可能になった現代では、管理されなくても(しなくても)音源制作ができる、という選択肢が増えた、ということです。
この例でもそうですが、管理する、されるという構造が良い、悪いという意味ではありません。
管理されずになにかしらをアウトプットしていく、もっと大きく言えば管理されずに働くという選択肢が明らかに増えた現代ならば、その選択肢すらなかった以前に比べて、相対的に管理されること、することに対するネガティブ感が増すのは、当然です。
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選択肢はたくさんあればあるほど良い。
管理職につくことにポジティブな人、ネガティブな人、どちらも受け入れられる社会を目指すべきだと思います。