最近は、典型的な披露宴も減った気がします。
私の周りでは、会費制でパーティー形式が増えつつあります。
若い人は特にですが、祝儀を最低3万も払わなくてはいけない披露宴よりは、確かにする方も行く方も気が楽ですよね。
その分「特別感」は薄れますが、そこは各々の価値観の問題です。
さて、そんな昨今でも執り行われる披露宴、その中では、友人や会社の同僚、上司のスピーチが必ずあります。
あれを頼まれた方は、かなり緊張するようですね。
私はある程度ステージに上がり慣れているので、さほど緊張もしませんが、あがり症の人にとっては本当に辛いものらしいです。
カンペをみる手も震えちゃうくらい。
緊張は生理的なものなので仕方がないのですが、スピーチの内容に関して、以前から不思議に思うことがありました。
それは、なぜこの人は会社の説明をするのだろう、ということです。
例えば新郎とスピーチをいう人が上司、部下という関係で同じ会社で働いているとします。よくありますね。
スピーチの中で、新郎が普段どういった仕事をしているか、を話すのはいたって自然です。披露宴の主人公は新郎新婦ですから(本当は列席者が主人公だ、という意見もありますが、まあそれはおいといて)、新郎の話をするのに違和感はありません。
しかし、新郎の働いている会社が何年にできた会社だとか、どんな業績があるのだ、とかいうのは、そこで話す意義があまり見当たりません。
私にとっては、いささか退屈です。
で、なぜ披露宴で会社の説明をするに至るのかを考えてみました。
多分それは、消去法によるものです。
スピーチを任された新郎の上司、この上司と新郎の間に、スピーチでいうべきエピソードがあり、それが披露宴に馴染むものならばそれを言えばことは収まります。
しかし、そううまく話があるわけではありません。
そして、なんてことない話をスピーチとして成立させるとなると、それは技術が必要になりますが(人志松本のすべらない話とか見たらわかりますね)、そんな技術を持ち合わせている人もそうそういません。
つまり、スピーチを任されたものの、なにを話せば良いのかわからないのです。
別に私は「夫婦には守らなければならない袋が3つある、それは、、、」という使い古された文言をあえて堂々というのも、それはそれで面白いと思うのですが、そういう勇気すらない人がたどり着くのが、会社の説明、となるのです。
考えてみれば、上司と部下という関係で共通した話題が会社のことになるのは至極当然で、逆に言えば会社のこと以外なにも共通した話題がないわけですね。
スピーチは、まったく新郎と関係ないことをいうわけにはいかないから、新郎の働いている会社の説明ということで、ギリギリセーフ、とみなしているのでしょう。
これは、依頼する方も悪い。仲のよい友人とならば、いくらでもエピソードはあるはずです。
スピーチを上司に頼むのが筋、といった型にはまった決め方は避けた方が、新郎も上司も、そして列席者のためにも良いと思います。
会社の説明が5分を超えると、本当に疲れてきませんか、、、