日本の接客は世界一とも言われますね。 日本では、いくら安いホテルに泊まっても、最低限の接客レベルを超えている、と言われています。 (そうか?と思うところもありますが・・・)
ところで、良い接客とは何でしょうか。
お客様の立場に寄り添い、親身になって考え、先回りして気を使う。 こういうのは当たり前です。 もちろん、この当たり前が難しいのですが。
そして、良い接客の中に含まれる要素として、言葉遣いがあります。 日本語は特に敬語が複雑で、尊敬語、謙譲語、丁寧語という種類があり、さらにどのレベルの敬語をどの人に対して使うのか、というのも経験で学んでいくしかありません。 ホテルの接客用語を、部活動の先輩に使ったら変でしょう? (先輩に「かしこまりました」って言います??)
敬語がこれだけ難しいから、というのが理由なのかどうかわかりませんが、接客評価に含まれる言葉遣いの割合が高いと感じます。 もちろん悪いことではないのですが、敬語というのは基本決まっている言葉なので、学べば誰でも言えます。
接客とは、マニュアル通りになにかをこなす行為ではないでしょう。 本来の目的は、最終的にお客様に満足してもらうこと。 その手段として、敬語があります。 だから、いくら敬語を使っても、相手に不快感を与えたら本末転倒です。 敬語を使わなくても、相手が笑顔になれば、それでOKです。
この辺が、敬語が複雑な日本では勘違いされている、と思うことがあります。 フレンドリーと馴れ馴れしさです。
フレンドリーに接して、お客様と明らかに良い雰囲気なのに、上司から「馴れ馴れしく接するのはだめです」と注意されたことが、学生アルバイトのときにありました。 判断基準は、敬語です。 つまり、タメ口だと馴れ馴れしい、敬語だと良い接客なんです。 そんなわけないでしょう。
海外に生活しているときは、その変がシンプルだし新鮮でした。 私の語学力のせいもありますが、友達と話すときとさほど変わらない言葉でウェイターやウェイトレスが応対してくれるのを不快に思うことなんて一度もありませんでした。 むしろ、友達と話しているように接されると、言葉とおりフレンドリーに感じました。 もちろん、不快に思った接客もありますが、それは言葉に起因するものではありません。
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良い接客とはなにか。 それは、型通りの敬語をつかいこなすことではありません。 それはあくまで手段です。
お客様に笑顔を、それを「考える」ことが接客の基本であり、最終目的です。