今日は、知り合いの紹介で吹奏楽のコンサートを鑑賞してきた。
音楽の世界にいるとはいえ、吹奏楽のコンサートに行く機会は全くなかったので、とても楽しめた。
そういえば、吹奏楽やクラシックにおいては「ライブ」という用語はあまり使われない気がする。
一方ポップスの方はコンサート、ライブ、どちらも使う。
強いていえば、比較的狭い場所での場合はコンサートとは呼ばない。
逆に、吹奏楽やクラシックは狭い場所ではできないので、コンサートと呼ばれるのかもしれない。
この辺の違いは正直どうでも良い。
しかし、やはり音楽畑にいる者としては、そうでない人とは少し違った見方をしてしまう。
習った指揮は何だったのか?
自分がまず感じたのは、指揮について。
小学生の頃、音楽の授業で学んだ指揮は、拍子ごとに手の振り方が違い、それを覚えさせらせた。
吹奏楽やクラシックの実際の指揮者の動きを見ると、当時習っていたものとは程遠く、あれは一体なんだったのだろう、と思ってしまう。
確かに基礎的な部分なのだろうが、かといってそこだけを、まるでテストのネタのように教えることには全く賛同できない。
イメージとは違うコンサート
話が逸れたが、今日鑑賞した吹奏楽は、自分にとってブランクがあったからなのか、この楽団が特殊なのかはわからないが、自分がイメージしていたものとは大きく違った。
自分の経験を含んだイメージでは、高貴な雰囲気、静粛な感じ、悪くいえば堅苦しいといったもの。
演者もフォーマルな衣装に身を包み、全体として、ポップスとはかなりの距離を感じるものだった。
今日のコンサートは二部制で、一部はイメージに近い雰囲気だったが、二部に驚いた。
なんでも、演奏曲目が映画音楽で、そこまではちっとも珍しくないのだが、なんとそれにちなんで映画に出てくるキャラクターに扮しているのだ。
数人同じ衣装ということもあれば、1人だけの衣装もある。
パイレーツオブカリビアン風なものから、男はつらいよ風なものまで、そのジャンルも広い。
そして指揮者。
これはある意味予想通りで、映画監督になっている。
指揮棒はメガホン。
シンプルに面白いと思った。
伝統を忠実に守る音楽は今後もあり続けるだろうが、そんな中でコスプレと吹奏楽を融合した、今日のようなコンサートも、若い人たちの旺盛な好奇心によって次々と生まれるだろう。
本当に素晴らしいことだ。
コスプレも映画もクラシックも音楽も、これらは随分昔のから既に存在しているものだが、これらを組み合わせるというところも、現代のクリエイティビティだ。
決してゼロから作り上げるもののみがオリジナルというわけではない。
また自分の畑とは違うコンサートに足を運んでみよう、と思った1日だった。