今日で東日本大震災から10年です。
もう10年なのか、まだ10年なのかよくわかりません。
私には二人の娘がいますが、どちらも10歳未満なので、あの震災をリアルタイムで経験したわけではありません。
私も、被災地から遠くに住んでいるので、直接的な体験はしていませんが、当時をリアルタイムで見てたかどうかは大きな差だと思います。
震災、津波、原発、これら起こったことを含めた、世の中の「空気」が一変しました。
報道もネットも友人との会話も仕事も、すべてにおいて震災が関連したものになりました。
あんな経験は初めてでした。
テクノロジーのおかげで膨大な量の映像もあり、後世にあの震災を伝えていくことは、昔と比べると容易になったと思います。
しかし、空気感を伝えていくのは難しい。
でも、私が大切だと思うのはその空気感をどうやって伝えていくか、です。
東日本大震災のような大きな災害が今後も日本、世界で起こることは避けられません。
しかし災害といっても様々、よってそれにどう対処するかだって細かく言えば違ってきます。
ただ、想定外のことが起こったときに人や社会はどうなるのか、ということを学ぶことには大きな意義があると思います。
想定外のこと、今ではやっぱりコロナですね。
こんな状況は、数年前まで誰も予想してなかったはず、まさに想定外です。
いろんなことに備えるのは大切ですが、すべての災害を想定することは不可能で、今後も必ず想定外のことは起こり続けます。
変な言い回しですが、想定外の想定をしないといけないのです。
私たちは10年前の想定外な災害からいろんなことを学べているでしょうか。
それをコロナに活かすことができているのでしょうか?
福島の農産物に対する風評被害の反省を活かせば、反ワクチンの罪悪にも気づくはず。
一方、真実をちゃんと伝えても陰謀を唱える人、それを信じちゃう人が一定数いることも不可避で、そこをも含めてワクチン接種をどうすすめていくかを政府は考えているのか。
真実をそのまま伝えても、間違って受け止める人が多数いる、ということを報道機関は想定しているのか。
(だから、「真実を伝えているだけだから罪はない」は通用しない)
◆
世の中はどんどん便利になっていきます。
しかし、その分だけ災害による被害はどうしても大きくなる。
かといって、便利になる世の中に歯止めをかけることはできません。
「昔の生活スタイルに戻そう」
と極端なことを言う人もいますが、それができるのならばとっくの昔に戦争や紛争はなくなっていますよ。
到底無理です。
だから、便利になっていく世の中で、想定外の災害が起こり被害が出ることを想定しながら私たちは前に進んでいくしかありません。
私たちは、震災からの10年、ちゃんと学べたのか。
いま一度深く考えたい。
今後も考え続けなればいけない。
直接経験、体験していない人や世代にも伝えていかなければならない。
そう強く思う一日です。