ビリヤードって、競技として本当に面白い。
しかし、実際にビリヤードは広く普及しているとはいい難い現状です。
ビリヤードそのものには問題がない、と考えている私が思う、普及しない理由、それは、ビジネス思考です。
野球でもサッカーでも、アスリートとビジネスマンが両輪となって盛り上げています。
どちらがなくても成り立ちません。
はっきり言いますが、ビリヤードを朝から晩までやってきた人が、ビジネス能力に長けているわけがありません。
ビジネスマン的思考、と言ったら堅い表現ですが、ビリヤード場に行くだけで気づくことも多々あります。
ビリヤード場には必ずと言ってよいほど「常連」さんがいます。
常連さんはビリヤード場に欠かせない方たちですが、その人達が店の人達と仲良くしすぎていて、初心者や一見さんが居づらい空気を作っています。
同じ室内競技であるボウリング場は、もっと広い空間でやっているので、常連さんと店の内輪感をあまり感じません。
そして、競技そのものはさておき、雰囲気が地味です。
Jリーグが開幕したときに、その立役者になったカズこと三浦知良さんは、サッカーを広めるために、サッカー選手はサッカーをしていないときでもかっこよくならないといけない、といった趣旨の発言をしていました。
スポーツに真剣に取り組んでいる人は、おしゃれになんか気を取られちゃいけない。
三浦氏のこの考え方は、アスリートのありようを変えた、と言えます。
結果、サッカーは日本全体がワールドカップで盛り上がるくらいに広まりました。
雰囲気のもう一つは、「紳士スポーツ」の過剰意識です。
ビリヤードは、静かすぎると感じます。
良い比較は、ゴルフです。
ゴルフだって紳士のスポーツだし、ショットの瞬間は静かにするのがマナーです。
でも、良いショットが出たときは歓声があがります。
ビリヤード、特に日本においては、歓声はほとんど見られません。
それは、歓声を出すべきじゃない、という「紳士スポーツ」の過剰意識があるからではないでしょうか。
それが、地味さを助長しているのは否めません。
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ビリヤード台は結構大きい上に、台と台の間隔をある程度あけないといけないので、かなり広い空間が必要です。
それでいて、一台で撞くのは平均的に2人くらい。
この状態で、私が行っているビリヤード場の料金は、3時間で1000円/人です。
安いのは嬉しいのですが、正直安すぎです。
店の雰囲気はビリヤードそのもののブランディング、料金設定は、ファイナンシャルプランで、どちらもビジネス分野で欠かせない戦略です。
特にファイナンシャルプランの方は、やりようによって業界全体のお金のまわり方につながります。
これが何を意味しているかと言えば、賞金が確実が上がるのです。
サッカーをやっているとき以外でもかっこよくしていないといけない。
それは結局、子供たちの憧れにならないといけない、という意味でもありますが、高額な賞金も憧れられることの一つとして確実にカウントされます。
もしこれを見ている人ビリヤード場関係者がいたら、ぜひ考えてほしいです。
- 常連さんと仲良くなりすぎて、排他的な雰囲気を作ってないか
- マナーを守らせることが最優先になっていないか
- キャッシュレス対応、SNS活用など、時代に合った動きをしているか
- 店員の接客はちゃんとしているか
そして、ビジネスに興味がある人かつビリヤードが好きな人がいたら、ぜひこの業界を盛り上げるべく動いてほしいと切に願います。
日本人の体は、欧米人のそれに比べて小さく、それがあらゆる競技にハンディキャップを与えていますが、ビリヤードにおいては、そのハンディーは少ない。
実際、日本人のビリヤードの戦績は決して悪くなく、世界のトッププロと同等に渡り合える選手が何人もいます。
それを世間の人が知らないのは、メディアで放映されないから。
放映されないのは、しても視聴率をかせげないから。
視聴率をかせげないのは、人気がないから。
人気がないのは、憧れる対象になりないから。
憧れる対象は、かっこよくて、お金を持っていて、というのが必須。
これを逆にたどっていけば、ビリヤード普及も夢じゃありません。