ジャズは、私の好きな音楽の中でも、他とはちょっと性質が違うと感じています。
JAZZのきっかけ
以前JAZZ喫茶で働き始めたのをきっかけにJAZZが好きになりました。 その前から音楽はやっていたし、JAZZというジャンルも知っていましたが、どこか敷居が高いイメージがありました。 それは私だけでなく、世間的な目もそうだったように感じます。
いろんな要因が重なったのだと思います。 音楽理論的にはかなり難しい。コードもスケールも難しいし、インプロビゼーション(即興演奏)が頻出します。
それに、歌モノもあるにはありますが、どちらかといえばインストゥルメンタルの方が多い。 すると、オリコンやビルボード・チャートに入るほどの売上を記録することはかなり難しくなり、認知度も少し落ちます。
また、Bluenoteに代表されるJAZZを中心としたライブハウスは、値段設定が他のライブハウスより若干高めで、ドレスコードや年齢制限があるところもあります。
これらの要因によって、JAZZはどこかしら敷居が高く、マニアックで、難しい音楽だという認識になったのかもしれません。 そして、これらと同時になぜか印象づいたのが、JAZZがオシャレだ、という雰囲気です。
JAZZはオシャレどころか・・・
JAZZ喫茶で働いて分かりましたが、JAZZはもともと、オシャレからは程遠い音楽です。 昔のJAZZマンたちは、クラシック演奏家と違い、ちゃんとした演奏場所を与えてもらえませんでした。 それで、BARなどの一角を利用して演奏していたのです。
JAZZのメイン楽器はピアノ、サックス、トランペット、ウッドベース、ドラムなどですが、これらはすべて生音が大きな楽器です。 BARの片隅で演奏するのに、電気系統がなくても演奏が成り立つようにするためには、生音が大きな楽器でないといけません。
それから、JAZZのドラム・セットは、他のドラムセットと比べて小ぶりです。 これも、今はJAZZっぽい音ということで定着していますが、もともとはBARの片隅で演奏するために、できるだけ省スペースなキットで、という理由だと言われています。
さらに、昔のJAZZマンはドラッグまみれです。全くドラッグをやっていない人を探すほうが難しい、というくらいみんなやっていて、JAZZマンたちの楽屋にはドラッグがケータリングのように置いてあることもあったそうです。
ドラッグと関係しているかどうかはわかりませんが、人生が波乱万丈なひとも多い。 サイドワインダーで有名なリー・モーガンなんて、楽屋で奥さんに拳銃で撃ち殺されました。むちゃくちゃです。 リー・モーガン
誰でも聞いて良いJAZZ
当たり前ですが、音楽がジャンルによって聞くべき人を選ぶはずがありません。 どんな人でも、どんなジャンルの音楽も聞いてよいわけで、JAZZもその例外に漏れません。
音楽通が聞く音楽、と言われたって音楽初心者が聞いても、子供が聞いても良いわけですね。 そのくらいラフにJAZZが捉えられると、私としては嬉しい。 もちろん、オシャレにJAZZを聞いてもよいわけですが、それは聞き方のほんの一部でしかない、ということです。