聞いた話だが、日本はおそらく残業や休日出勤の多い国だ。
それが理由で、鬱症になったり、過労死したりすることもあり、社会問題になっている。
記事中に出てくる燃え尽き症候群も、働きすぎが原因だ。
実際、日本の自殺率は世界トップクラス。若者に至っては世界一だ。
そんな中、フランスで成立した法律が、上記リンクである。
記事タイトルの通り、勤務時間外のメールは、「つながらない権利」と呼ばれる権利を守るため禁止、というものだ。
今回もそもそも論で考えたい。
過度のストレスが問題
色々なタイプがあると思うが、そこには「ストレス」という存在が大きく関係しているだろう。
例えば一般的な企業で、週に5日働き、2日休むという場合。
その5日間にためたストレスを週末の2連休で解消し、また月曜から仕事に取り組む、というサイクルを繰り返すつもりが、その休みの時に出勤命令がおりたり、連絡があったりして、ストレスの解消ができないまま翌週をむかえるということになる。
すると、ストレスが蓄積していき、上述したような症状が起こり始める。
だから、休みの日につながらない権利を主張して、ちゃんとストレスを解消できるように法整備する、ということだろう。
しかし、そもそもなぜ仕事にストレスがつきもの、という前提なのか。
適度なストレスは健康にも良いと聞くが、週末に休んで解消しないと鬱症や過労死に向かう、というレベルのストレスは、明らかに排除すべきだ。
ストレスを解消する法整備ももちろん必要だが、そもそも仕事で強度なストレスを感じるのが当たり前という会社のあり方を改善する方にも目を向けないといけない。
普段からストレスをためない社会の実現
海外事情には詳しくないが、少なくとも日本では、ストレス原因の上位には、必ず「人間関係」があがる。
業務内容や、待遇ももちろんその原因だろうが、これらは入社する際にある程度自分で選択でき、それを踏まえて入社したともみることができる。
これに対し、人間関係はまったく予想がつかない。
こちらの法整備が行われない理由は、法整備のしようがないから、だろう。
会社である程度の縦構造があるのは当然で、どこまでが一般的に過度なストレスを感じさせる原因になっている行動なのかどうかの線引は、ほとんど無理だろう。
だとすれば、社会風潮自体を考え直したい。
上司が言うことには逆らえないといった風潮が蔓延していて、さらに右に倣えの精神が行き届いているこの国では、上司に逆らうのではなく、意見を言うということですら難しくなっている。
しかし、人はみな違うし、嫌なのに右にならう必要なんて特にない。
自分と意見が違ったら、議論を重ねればよいし、それでも折り合いがつかない場合は、どちらかが折れるしかないが、その事自体がストレスになるのならば、おそらくその環境との相性が悪い。
誤解を避けるために言うが、その環境が悪いのではなく、相性が悪いだけだ。
そういった場合は、すみやかに転職したほうが良い。
転職を繰り返す人間は、物事を長く続けることができないという見方をされることもあるが、そういう基準で選ぶ会社は、それこそ万が一入社できても、同じようにストレスがたまるから、採用されなくても問題ないのだ。
逆に、少しでも自分の能力を発揮させるために職を転々としている人なのかも、という見方をする会社もあるだろう。
社会に出たら、ストレスを感じるのは当たり前、といったこと言う大人もいるが、それは現状分析を偉そうにしているだけで、何も改善されない。その前に、自分自身は縦構造を利用して、人にストレスを与えていないかどうかをもう一度考えるべきだ。
たしかにストレスフリーな社会の実現はかなり難しいが、だからこそ少しでも軽減されるような空気つくりをしていく必要がある。