農業従事者の高齢化と、その理由
サラリーマンの定年近い年齢が平均年齢ということになる。
サラリーマンの定年が60歳や65歳なのは、体力的なもの、若い世代に仕事を与えることなどを考慮してということなのだろうが、この理由は農業も例外ではない。
寧ろ、体力面ではかなりきつい職業だ。
さらに休みもほとんどない。
気象にも左右されるので、不安定な要素もある。
住むところにも、必然的な制約が出てくる。
これらから推察するに、60歳を超えた農業従事者は、できれば現場を退き、次の世代にその仕事を引き継ぎたい、というのが本音ではないだろうか。
そうなっていないのは、当たり前だが農業に従事したい人が少ないから。
上述した農業の大変さは、定年近い層だけが感じるわけではなく、若い人も感じる。
体力的にきつく、休みもほとんどとれない。
気象にも左右され不安な時期を過ごすこともある。
さらに、都会に住むのは難しい。
これでは、希望者が減るのも無理はない。
「食」は未来でも間違いなく重要
つまり、今後も「食」は人が生きていく上で重要なことは変わりない。
その食の大きな部分を占める農業なので、「希望者が減るのも無理はない」なんて言ってられないだろう。
貿易が盛んに行われる現代なので、他国に頼ることはできる。
しかし、かといって自国で自給することが重要でないとは言えない。
基本スタンスは、自国でまかなえるものはまかない、ムリなものを海外に頼ろう、というものであるべきだ。
しかし残念ながら、日本の食料自給率は下がり続けている。
特にカロリーベースでは、先進国のなかでも最低だ。
これを打破するためには、とにかく農業従事者を増やす、つまり農業をしたいと思う若者を増やすことが第一だ。
それと同時に効率化、能率化も目指さなければならない。
若者、効率化・能率化→テクノロジー
冒頭に紹介したかとうさんは、1986年生まれなので、まだ30歳前だ。
今までの農業の経験は、大いに役立つ。