一時期ほどではないが、昔に比べればガソリンはやはり高くなったと感じる。
自分が学生だった頃はバイクに乗っていたが、その時のガソリンは、安いところでは100円/L(レギュラー)を切るところも結構あった。
おそらく今はそんなところはそうそうないだろう。
今調べるとこんな感じだ。
しかし、この価格を以前と比べて高いと思うかやすいと思うかどうかはさておき、そもそもの価格として考えると、少し違う見え方になる。
例えば、同じ液体を考えて、牛乳を例にとる。
牛乳は近所のスーパーで普通に買え、その価格は1000ml(つまり1L)で200円前後。
150円だと結構安いと感じる。
価格をきめる基準はいろいろあり、その辺は経済のプロに任せるとしても、その要素の中に「コスト」は必ず入るだろう。
石油と牛乳を考えた場合、つまりそれらを販売するまでにどういったコストがかかるか、だ。
どちらも製造→販売の過程を踏むが、ほとんど石油の方がコストがかかると思ってしまうのは気のせいだろうか。
油田から石油を吸い上げるのにかかるコストと、乳牛から乳を絞り出すのにかかるコスト。
販売までに保管するコスト。
それから販売する場所全般にかかるコスト。
どれをとってみても石油のほうがコストがかかりそうだ。
しかし、販売額は石油のほうが安い。
なぜこういうことになっているのかはわからない。
石油が安すぎるのか、牛乳が高すぎるのか、それともそんなものなのか。
価格と需要も密接に関係しているだろう。
石油と牛乳を比べると、これは圧倒的に石油の方が需要は高い。
世の中のあらゆる物質的な需要を考えてみても、石油はおそらくトップで、だからこそ富も生むし、戦争も起こるし、混乱もおきる。
しかし、その需要からどのような計算過程を踏んで販売額が決定されるのかはわからない。
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音楽の世界では、ギャラで報酬が支払われるが、ギャラに関してはなんとなくの相場はあっても厳密な決まりはない。
かつ、音楽は目に見えないので、その作業量もよくわからない。
例えば、ある曲の編曲を仕事でアレンジャーが受けた場合に、いくらでやるものなのか、というのは探りにくい。
オファーする側は比較的算出しやすい。
制作全体にかけることができる予算は決まっているので、その配分をきめていけば、自ずとギャラが決まる。
しかし、アレンジャー側はそれにばかり従っていると、交渉にならない。
といって、なんの名分もない高い金額を提示すると、ふざけるな、となって交渉決裂してしまう。
基準になるのは、かかった時間と能力の高さだ。
ある程度の時間(アレンジは何時から何時まで、としっかり区切れない)が分かれば、それに自分の能力に見合った時給をかけて提示する。
能力に見合った時給とはどんなものなのか。
これも難しいが、だいたいこんな感じだ。
コンビニバイト 時給800円
コンピュータ系、パート 時給2000円
平均的サラリーマン 時給2,000円〜5,000円
大工の棟梁 時給10000円
売れてる弁護士や医師 時給30000円
これらに照らし合わせて、自分の能力ならばいくら位の時給をもらってよいのか、ということを考えることも重要だ。
◆
お金は交換価値しかないので、じっくり考えないとえらく損したり、逆にもらいすぎたりするから注意が必要だ。
依頼するほうも、提示する金額を逆算すると、時給300円位で働いてくれませんか、とお願いしていることに変わりないことになってしまわないように気をつけたい。
(そんなことは結構ある)