私の古い友人から、ある日こんなことを聞かれました。
ガソリンが高い高いって言う人がいるけど、牛乳よりは安いよね。 で、牛乳を精製する総コストと石油を精製する総コストを比較したら、多分石油の方が高いから、ガソリンが牛乳より安いうちは、まだ割安だ、と考えても良いと思う。
ガソリンと牛乳を比較できるのって、なかなかに頭が柔軟だなと思いましたし、なるほど、と思いましたね。
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フリーランスで仕事を受けた時、値段はどうやって決めるべきでしょうか。
まず相場を調べるでしょうね。
しかし、相場だけで決めるのもいかがなものかと思います。 主体性、自主性が全くありません。
私の場合、仕事のほとんどが音楽関係です。 値段設定するために、相場以外で要素とするのは
- 実費
- 時間的コストと技術料
です。
実費はわかりやすいですね。 その仕事のために移動を要したら、その移動費。 練習のためにスタジオに入ったら、そのスタジオ代。 そのために機材を買ったら、その機材費、などなどです。
これらは、相手にもよりますが、手数料ゼロで受けてあげても良いし、数%の手数料を乗っけても良いでしょう。
問題は時間的コストと技術料です。
その仕事を終わらせるのに、どのくらいの時間を要したかをできるだけちゃんと計算します。 上に移動のことを書きましたが、費用だけでなく、移動時間もちゃんと把握します。
次に、技術料です。 技術料は、これこそまさに相場から算出すれば良いと思います。
例えば、コンビニのバイトは時給1000円前後。 これはそもそもから時給で提示してあるのでわかりやすい。
しかし、巷のサラリーマンの時給は意外と認知されていません。 一方年収は結構知られていますね。
大雑把ですが、例えば自分の年代における平均年収が480万だったとします。 ここから時給を計算してみます。 一日8時間、週5日勤務という前提で考えてみます。 480(万円)/12(ヶ月)=40(万円) ←月収 40(万円)/20(日)=2(万円) ←日給 2(万円)/8(時間)=2500(円) ←時給
ということで、時給2500円と算出されました。
さてここで、です。
実際に自分の技術が、どのくらいの時給をもらってよいのかを考えます。 比較的誰でもできるだろうコンビニの時給よりはもらってよいはずかな。 平均的なサラリーマンと同じくらいもらってもはずかしくないレベルの技術や実績はあるぞ。 いやいや、まだこの業界にはいって数年の新米なので、平均的なサラリーマンと比較するのではなく、初任給から算出するか。 などなど。
これらを総合して値段がきまります。
諸々で実費が2万円かかった。 時間は10時間くらいを要した。 平均的なサラリーマンくらいはもらってよいはず。
すると、 2(万円)+10(時間)☓2500(円)=35000円
といった具合ですね。
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時は金なり、という言葉がありますが、本当にそのとおりです。 実費以外にかかった時間的コストと、自分の技術に照らし合わされた時給を設定しておけば、値段設定を大きく誤ることはないでしょう。 また、相手から「高い」と言われても、明確な根拠に基づいているので交渉がしやすいものです。