思い出の携帯電話は、やはり最初の携帯電話ですね。
厳密に言うと、携帯電話ではなくてPHSです。
世代によっては、PHSと言われてもピンと来ない人がいるかもしれません。
「携帯」する「電話」ということでは、携帯電話に括って良いと思います。
電話はここ30年で最も進化したデバイスの一つです。
その進化前と現在を生きている私は、アーリーアダプターとして最高の時期に生まれたと思っています。
PHSも含めた携帯電話に、それ以前もっとも近かったのは、固定電話の子機です。
線がないのに電話ができる、ということだけでかなり感動し、親に聞かれたくない電話を自分の部屋で出来る、という思春期の人間にとっては大きなメリットがありました。
それから出てきたのが、PHS。
携帯電話は、実はもう既にあったのですが、値段も高く、だからこそ普及もしていない。
携帯電話を持つなんて、全く現実味がありませんでした。
ところが、PHSというのが発売されて、しかも機種代がほとんど0円だったのです。
ただほど高いものはない、という言葉も、この時ばかりは無視で、一気に普及しました。
その波にのっかって私も購入。高校3年くらいだったと記憶しています。
子機と違うのは、ダイレクトにかけたい相手にかかる、ということ。
子機の場合、部屋で通話できるものの、かけ始めには親を介すことがほとんどでした。
それから、外出先でも電話できること。
このメリットは本当に大きく、待ち合わせなんかは飛躍的にしやすくなりました。
たぶん今の若い世代は、携帯電話がなかったら、どうやって待ち合わせてよいかわからない人も多いのではないでしょうか。
いえ、若者だけでなく私たち世代ですら、携帯があるのが当たり前の生活に慣れきっているため、待ち合わせには困るでしょう。
上記したように、既にあった携帯電話は、PHS普及後も高額でしたが、その分電波が強く、エリアも広いというメリットがありました。
電話を携帯する便利さを一旦手に入れると、なかなかに手離せません。さらに電波強度やエリアという電話スペックの根幹部分は、多少高価でも強化したい、という人が多かったのでしょう。
PHSが普及して数年後、携帯電話が一気に普及します。
電話も例外にもれず、普及すればするほど値段も下がり、現在に至ります。
今でも電話を持つことは自由ですが、貧困が問題となっている現代でも、それとは裏腹に携帯電話の所有率はかなり高い。
エンゲル係数は、出費に占める食費の割合で、これが高ければ高いほど貧困だと言われています。
これはつまり、食費だけは生きていく中で削るのに限界があるので、それが多くを占めるのは貧困を意味する、というロジックです。
しかし、携帯電話、もちろん今ならばスマホですが、それら通信料が出費に占める割合も、エンゲル係数と同じような指標になるかもしれませんね。