幼馴染で同い年でもある彼は、超歴史好きでしかも、受験生の時は全国模試でも上位トップ10にいつも入るくらいの実力派です。
とにかく詳しくて、一度彼と京都に旅行に行ったことがありますが、本当に最高のガイドでした。
言い伝えや由来などに詳しいので、観光地をめぐるだけでも、「へぇ〜」の連続です。
彼の家には小学生のころから幾度となく遊びに行っていましたが、彼の部屋は壁がすべて本棚で、その棚は殆ど歴史関連の本で埋め尽くされていました。
中身は少しずつ変わります。
小学生の頃はやはり歴史漫画なんかが多かった記憶があります。
中高あたりになると、ちょっとむずかしそうな本、そして大学になる頃には、読書好きの自分でもまったく歯が立たないくらい難しい歴史書が置いてありました。
めちゃくちゃ厚くて、めちゃくちゃ小さい字です。
あれはほとんど辞書レベルですね・・・
彼は歴史を勉強と思ってやったことがないそうです。
物心ついたときには歴史の漫画を読み漁っていて、とにかく面白かったとのこと。
周りの友達が週刊少年ジャンプを読んでいる中で、「たまたま」三国志を読み続けたわけです。
それを、先生を含む大人たちは「えらいね」とほめたらしいですが、なんで面白い漫画を読むだけでほめられるのかさっぱりわからなかったと言います。
彼は大学を卒業後、誰もが知る大手企業に就職しましたが、そこを数年で辞め、今は地方の歴史博物館で働いています。
三つ子の魂というやつでしょうか。
でも、私から見ても彼にはその職が天職のように思えます。
自慢の幼馴染です。
◆
歴史は大切です。
ライフネット生命のCEO、出口治明さんが、時代の教科書は歴史の中にしかないと言っていましたが、本当にその通りですね。
それこそタイムリーに、対北朝鮮の緊張状態が続いていますが、そんな時にどういったことがおこる可能性があるのかは、やはり歴史を振り返らなければ全く予想できません。
しかしその大切さ、大事さ「故に」勉強しようと意気込める小学生はどのくらいいるのでしょうか。
多分ほとんどいません。
一方、私の幼馴染のように、幼少期に強く興味を持ったことは、社会に出た後も継続することは十分に考えられます。
つまり、歴史に興味を持たせる為には、幼少期において、歴史を学ぶ重要性よりも、エンターテイメント性の方を重視した教育をしたほうが良いと考えます。
実際私がそうです。
私が歴史に興味を持ったきっかけは、ベタですが、司馬遼太郎氏の竜馬が行くを読んでからです。
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とにかく面白くて、8巻あっというまに読み終えました。
それから歴史小説にハマるのですが、一方でそれが史実とは違うということも知ります。
全く違っているわけではないのですが、史実をもとに作ったフィクションが歴史小説だということを知ります。
しかし、そもそも歴史小説がなかったら私は歴史に興味を持てなかったかもしれません。歴史小説は、他のフィクションと同じようにエンターテイメント性がしっかりあります。だから読みやすい。
それをきっかけに歴史の知識を深めていく、という流れは、そんなにエネルギーを使わずに歴史に興味を持てる方法の一つです。
私の幼馴染の場合は、それがずっとずっと早い年齢で起こったわけですね。
確かに、年齢は違えど今歴史小説を読んでいて、えらいねと言われても違和感たっぷりです。
読みたい本を読んで、何がえらいのか、と。
◆
冒頭の記事は、歴史教育においての問題点を指摘しています。
書いてあることは確かにそのとおりだと思います。
しかし、そもそも歴史が勉強の、テストのためにあるものだという概念を植え付けさせる教育自体が危険だと感じます。
そんな教育だと、寧ろ嫌いになる子もいるくらいですね。
音楽や文学などは、嫌いなら嫌いで別に構わないと思いますが、歴史はそうではありません。
特に近代史から学ばなくてはいけないことは多くあります。好き嫌いでは済まされません。
少なくとも教育現場では、歴史アレルギーの子をつくらないようにだけは注意してもらいたいものですね。