ありましたね、こういうポスター。
私が以前働いていた職場にも貼ってありました。
確か、「出来ない社員10か条」みたいなタイトルだったと思います。
内容はこれと似たようなものです。
会社には、その会社の目標や理念があります。
複数の人間が集まって働くにあたって、その会社の目標、理念は共有しておくべきでしょう。
お金を稼ぐことが目標の一つになっていることくらい誰でもわかっているので、それを除いて、最も大切にしている理念です。
理念を毎日考えながら仕事をするのは難しいですよね。そんなことを考える暇もないくらい、目の前の業務に追われている社員だらけです。
風が吹けば桶屋が儲かると言うように、本当は理念と目の前の業務もつながっているはずなのですが、それが見えにくい。
そうすると、いつしか理念なんて社員のアタマから消えてきます。
色々なものがロボット化している時代ですが、理念なく働くというのはロボットと何らかわりありません。
いえ、寧ろよりタチが悪い。なぜなら、人はサボるのが好きだから。
理念がなく目の前にある業務を、そこそこサボりながらこなしてく状況は、会社にとって良いはずもありません。
ですので、こういったポスターを貼るのでしょう。
理念を思い出せというのではありません。厳しく言えば、理念なんか忘れても良いから、とにかく業務に勤しめ、ということです。
実際に上記リンク先にあるポスターの内容をみてそう思いませんか?
ホウレンソウは私が職場にいた頃もよく言われていました。
しかし大事なのは、「何を」報告、連絡、相談するのか、「何のために」報告、連絡、相談するのか、です。
仕事は5つの気が大事、とあります。
本気、元気、勇気、根気、やる気。
これらも大事かもしれませんが、もっと大事なことは、それらの気を使って「何を」するのか、「何のために」するのか、です。
笑い話のような本当の話ですが、前の職場で、本社からお偉いさんが来るとなった時に、何をお土産に買って帰ってもらおうか、ということを真剣に会議で話し合っていました。
まさしく、5つの気を出して。
それって、会社の理念に沿ったものなんでしょうか?
◆
そもそも、なぜこのようなポスターを貼る必要があるのかが疑問です。
上にも書いた通り、理念は何かに悩んだ時、判断基準の最終決定打になるかもしれませんが、そこに至るまでの手段、方法は各々が考えるべきです。
極端な言い方をすれば、上に書いた5つの気なんて全く無くたって、理念にかなった行動をとっていればそれで良いのではないでしょうか。
これは日本社会の悪い風潮で、これらの気を出して得た結果こそ本物の結果だ、というプロセスと結果をごちゃまぜにしたものになっています。
理念と結果が結びついてさえ入れば、プロセスには多様性があってよい。
むしろ多様性があったほうが、時代の変化にはついていきやすい。
◆
会社に貼るポスターは、もっと漠然としたもので良いと思います。
働きやすい職場を作ろう、とか。
具体的には何を言っているのかさっぱりわかりませんが、そのくらいで調度良い。
でなければ、特にポスターなんか貼らなくて良いし、寧ろ悪くなると思います。