昔海外に住んでいた時期がありました。
海外に住むことは、逆に日本を客観的に見られるところが良いところです。
「海外に、日本を見つけに行く」といった感じですね。
で、海外で生活を始めて気づいたことがたくさんありますが、その一つがトイレです。
トイレの何に気づいたのかというと、日本のトイレは平均的にかなり綺麗だ、ということです。
私の渡航先は、日本ほどではないにしても、まあまあな先進国です。
その国の最も大きい都市に住んでいました。
そこにある、これまた最も大きな駅に設置してあるトイレにびっくりしました。
汚いというわけではありませんが、清潔感はあまりありません。
でも、それより驚いたのは、トイレの扉下部の隙間です。
この画像は日本のものですが、だいたい下部の隙間ってこの程度ですよね。これでも結構広い方かもしれません。
海外にあったその駅のものは、これがとてもとても広かったのです。
どのくらいかというと、洋式トイレの便座くらいまで。
つまり、もし便座に誰かが座っていたら、その人の膝が外から見えるということです。
実際、見えてました。いやでも目に入ります。
しかも、扉ごとにその高さが微妙に違っていました。鍵もその幾つかは壊れていました。
扉を開けたまま用を足している人も普通にいました。
そんなトイレ、日本のどんな田舎に行っても見ることはできないでしょう。
それがその国の最も乗降者数の多い駅にあるのです。
さすがに今は改善されているのだと思いますが、当時の時点でかなり日本とは差がありました。
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ところで、トイレが綺麗かどうか、というのは、私が取引先の職場に行く時に重要なチェックポイントの一つになっています。
というのは、トイレというのはお客さんが必ず行くとも限らないし、中はいつも見えているところでもないので、逆に言えばトイレが綺麗ということは、それ以外のところも十分に綺麗にしている、と判断するのです。
しかし、上記の国、その当時は、「そもそもトイレはそんなに気を使うところではない」といった雰囲気でした。
少し無理やりですが、冒頭の記事を読んでそれを思い出したのです。
建設現場にある仮設トイレは、確かに「そもそも汚いもの」というイメージがあります。
さらに、記事中にもあるように、建設業界は男性比率がいまだ高い。
男性は女性専用のトイレに入ることはないので、男性比率が高い建設現場のトイレは、たとえそれが男女共用だったとしても、男性目線のものになりがちです。
男性としては、女性の意見を軽視しているわけではなく、気がつかないといったところではないでしょうか。
トイレのような男女がはっきり分かれているものに関しては、やはり女性に意見を聞くしかないでしょうね。
女性目線を取り入れることによって、仮設トイレが綺麗になるのは、とても良いことだと思います。
それは、日本が世界に誇れる、日常の清潔感なのかもしれませんね。