いやー、素晴らしいですね。
私はこんなに簡潔に伝えられないので、スカッとしました。
私も便乗して、思うことを書き留めておきます。
マスターするまでどのくらいかかりますか?
困った人あるあるの中で出てきた、この質問をする人、本当に多い。
この質問は少なくとも3つの意味で回答不可能です。
マスターってなんなのか
音楽に関しては、試験があってそれに受かったらマスター、みたいな基準はありません。基準がないのならばマスターするまで、という質問に答えることはできません。
そもそもマスターしている人って誰なのか
「私はギターをマスターしました」って人に会ったことあるんですかね。
私の大好きなギタリスト、梶原順さんが、DVD紹介のためにアップしている動画がこれです。
この中で梶原順さんは「プロとは」という質問に対して
今の自分では良しとしない、ということを続けている人
と答えています。
逆説的ですよね。プロなんだから、少なくとも技術に関してはそれで生計を立てられるほどのレベルがあるということですが、そのレベルでは満足しないのがプロ、ということです。
梶原順さんに限らず、私も音楽業界がそれなりに長いですが、どんなに優れたミュージシャンでも、自分はマスターした、と言っている人には会ったことありません。
(ブランディング上そういう見せ方をしている人もいますが、あくまでブランディング上のことです)
かかる時間は個人差ありまくり
100mを10秒以内で走れるようになるまで、どのくらいかかりますか。
司法試験に合格するまでどのくらいの年月を必要としますか。
年収5000万円を超えるまでにどのくらいかかりますか。
こういう質問をされたら、そんなのわかんないよ、って答えると思います。
なのに、楽器演奏は、一定時間かけたら誰でもマスターできる、と思うんですかね。
10年、といっても一日あたりどれくらい練習するかにもよりますし、もっと細かく言って何時間、と伝えても個人差があります。
よく、プロになるためには1万時間が必要、なんて言われます。
これ、わかりやすい単位に変換すると、1日4時間、休むことなく練習して7年弱、という時間です。
すごい時間ですが、この言い回しはつまり、とにかくたくさんの時間が必要ですよ、ということです。7年きっかりではプロになれない、8年だったらプロ確実、とは誰も言えません。
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音楽に限らず、安直にゴールを求めるのはNG。
ただひたすら没頭して、気づいたら少なくない人から褒められていた、というのが現実ですね。