日々じゃーなる

日々の生活でおもったことをなんとなく、でも結構まじめに綴るブログです。 趣味は読書とビリヤード。仕事は音楽関係。

音楽学校で講師をすることになった私が思う、音楽学校というもの~その2~

昨日の続き

 

音楽のプロを目指す人は、音楽学校に行くべきなのか。

 

現実をちゃんと言えば、音楽学校に行けばプロになれる、というほど簡単ではありません。

音楽学校の卒業生のうち、学費を超えるくらいの収入を音楽を通じて得られている人の割合はめちゃくちゃ低いです。

 

これを踏まえると、ありふれた結果になりますが、結局本人次第ということになります。

つまり、音楽学校に行ってもプロになれる人、なれない人はいるし、音楽学校にいかなくてもプロになれる人、なれない人はいる。

 

そんな中で、どういう人が音楽学校に行ってプロを目指すべきでしょうか。

 

ここで、一旦冷静に考えてみましょう。

 

例えばプロのシンガーソングライターを目指している場合、

  1. 高額な学費を払って2年間音楽学校に通う
  2. 年間250回、ストリート、ライブハウス、その他で演奏する
  3. 2年間ひたすらデモ音源をレコード会社等に送りつける

どれがプロに近づけると思いますか?

(250回というのは、年間のおおよその通学日数)

 

これはもう絶対2と3です。

人前で演奏するということを繰り返している人は強いですよ。

経験は宝です。

そして後者はほとんどお金がかかりません。

ひたすらやっていれば、人脈だってできます。

 

デモ音源をひたすら送り続けるためには、作詞作曲して、音源制作をしないといけません。

そして、そのほとんどが落選するというひどい目にあいます。

これもものすごい経験です。

 

2や3が自分にとって無理だ、という人には音楽学校は有用です。

こう考えてくると、音楽学校の捉え方が見えてきます。

 

そう、音楽学校は、教えてもらいにいく場所ではありません。

音楽学校は、利用しに行く場所です。

高待遇のスタジオ、といった捉え方です。

 

自分がやろうとしていることでわからないことがあったら、質問する先生や仲間がいます。

音を出してみたかったら、設備は整っています。

ライブ、レコーディング、リハ、、、音楽活動を自らやろうと思えばたいていのことはできる環境が整っています。

「今日は何をおしえてくれるのかな・・」

こういうタイプの人でプロになれる人は絶対にいません。

 

そろそろ結論を書きます。

 

プロを目指している人の中で、これから音楽学校入学を検討している人は、どこの音楽学校に行くか、ではなく、音楽学校に行く必要があるかどうかを真剣に考えてください。

 

音楽学校に支払う金額があれば、できることはたくさんあります。

全国を旅しながら各所のライブハウスに出まくって、年間200回以上ライブするとか。

交通費?宿泊費?ノルマ?集客?

学費に比べれば桁違いに安いですよ。

 

検討の結果、音楽学校への入学を決めた、またはすでに音楽学校に入学している、という人は、教えてもらいに行く、というスタンスを絶対にとらないこと。

 

学校側は出席率やらテストやらで、生徒を管理したがります。

学校にとっての優等生を求めます。

 

そういうのは、全部無視で良いです。

 

自身の音楽活動において、「使える」と思うことだけを活用すれば良い。

ピンとこない授業には出る必要はありません。

お金払っている方なので、どう活用しようが勝手です。

 

「使える」と思うことの中には、人脈もあります。

キャリアがある講師もいると思うので、その人になんとか取り入って、プロになるきっかけを探る。

有用な情報を友人から得る。

いわるゆキャンパスライフを謳歌したいという気持ちもあると思いますが、そこに払う学費と全く見合いません。

毎月ディズニーランドに行くよりも断然高い学費です。

 

シンプルに考えれば、プロを目指して音楽学校に行くのなら、目的はプロになることで、それ以外はどうでも良いのです。

優等生として音楽学校を卒業しても、ほとんど意味がありません。

極端なことを言えば、ほとんど授業に出ていなくても、音楽学校で出会った仲間とユニットを組んでメジャーデビューすれば、学校に行った目的は達せられたということになります。

結果で言えば、人との出会いにお金をかけたのです。

 

その後の人生に大きく影響する決断になると思うので、真剣に考えてみてください。