WEB特集 英語民間試験 導入延期の経緯と今後は | NHKニュース
今は小学校から必修化されている英語ですが、私達世代でも中学3年間、そのあとほとんどの人は高校3年間、計6年の英語教育を受けています。
にもかかわらず、英語が話せる人はあんまりいませんね。
話せる人は留学経験がある人とかばっかりです。
私も同じで、海外に移住するまでは全くと言ってよいほど話せませんでした。
学校で6年も英語教育を受けて英語が話せない、これは英語教育がおかしい、ということで、いろいろと改善が議論されているのでしょうね。
でも、考えてみてください。
数学は小学校の1年(算数)から高校まで12年習いますよね。
で、大人になって中学受験の問題(つまり小学校レベル)がスラスラと解ける人っています?
高校受験の問題となると、ほとんど解けないんじゃないですか?
他の教科も同じで、学校教育を受けてきた結果、それが身になっているかどうか、といえば怪しいもんです、
もし身になっていることがあるとしたら、それは学校教育で習ったあとに、社会でも見たり聞いたり使ったりしていることばかりじゃないですか?
実際、上に挙げた数学で言えば、四則演算くらいはほとんど人ができます。
普段の生活で使うからできるわけです。
同じ四則演算でも分数同士の割り算となると・・・どうですか?
普段使わないからできない人も多いし、かといって困らないですよね。
6年もの間英語教育を受けたのに話せない、というのは、英語だけがそうなっているわけではないことから考えると、学校教育の限界があるからとも言えるでしょうね。
じゃあこのままで良いかというと、そうも思いません。
やっぱり教育内容はよりよいものに進化させていくべきでしょう。
言語の4技能は、読み、書き、話し、聞き、です。
このうち、今の英語教育は読み書きに偏りすぎている、と言われます。
これは、そもそも英語教育の目的を、学問とするのか、コミュニケーションツールとするのか、で変わってきます。
よく、役に立つかどうか、で決めるなんて言う人もいますが、役に立つかどうかなんて、その人が将来どんな職業に就くかによって全然違いますし、上にも書いたとおり、英語に限らず学校で習った内容で社会に出て「直接」役に立つことなんてあんまりないので、英語だけにそれを求めるのは無理があります。
いや、少しは役に立つ、という意見もありますが、確かにそのとおりです。
ただ、これは繰り返しになりますが、人によって英語の4技能のどれが役に立つかは違うので、集団教育では限界があるんです。
集団教育で、全員ではないけれど、少しでも多くの人に役に立ちそうなことを教える、ということになると、4技能のうち、どれが役に立つ人が多いでしょうね?
答えは簡単、話し、聞きです。
なぜなら、これも上に書きましたが、話し、聞きはコミュニケーションツールとして使えるからです。
ここは他の教科とは違いますよね。
国語は同じ言語ですが、初等教育の国語は読み書きに偏っているという点で英語と同様と考えて良いと思います。
これをふまえて、英語以外の教科は、それそのものだけで成り立つ教養です。
英語の話し、聞きに関しては、相手がいたらコミュニケーションツールとなりえます。
ここが英語教育を再考するきっかけを与えているのだと思います。
そもそも、日々の生活の中で、読み書きする量と、話し聞きする量とどっちが多いと思いますか?
これは、間違いなく話し聞きでしょう。
あくまで平均的な、庶民的な話ですよ。
これは母国語である日本でも、世界共通語である英語でも同じはずです。
つまり、どうせ習う英語を少しでも役に立たせないのなら、4技能のうち、少しでも役に立つ方から優先的に教えてほしい、となるわけですね。
で、多くの人にとって、少しでも役に立つ技能は、話し聞きになるから、こちらの方に重点をおくべきだ、という意見になるわけです。
もちろん、他にも理由はあるでしょう。
読み書きは、基本一人の作業なので、調べながらゆっくりでもなんとかなるが(現代はGoogleという素晴らしいツールが手元にありますね)、話し聞きはコミュニケーションなので、会話のテンポが崩れてスムーズにいかない、とか。
すぐに翻訳してくれるポケトークみたいなものもありますが、それでも日本人同士のスムーズな会話に比べたらだいぶもたつきますよね。
ということで、個人的な意見を言えば、やっぱり話し聞きの方にもう少し重点を置いたほうが良いのでは、と思います。
ただ、それでも学校教育を終えて、英語がスラスラと話せるようになる人なんてほぼいないと思いますけどね。
本当に話せるようになりたいのなら、思い切って英語圏の国に行くか、それが無理なら英語の話せる恋人を作って、全部英語で会話する、くらいのことはしないとムズカシイと思います。