日々じゃーなる

日々の生活でおもったことをなんとなく、でも結構まじめに綴るブログです。 趣味は読書とビリヤード。仕事は音楽関係。

パソコンで音楽を作ろう〜その21 録音中のリバーブについて

 

さて、前回のあとがきにも書きましたが、今回はこれについてです。

 

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目次

 

録音中のリバーブについて

 

前回説明したことをまとめると、、、

 

歌っているときにリバーブがかかってなかったら気持ちよく歌えない。

だからDSPを使って「モニターだけ」にリバーブをかけて気持ちよく歌えるようにしよう。

 

こういうことですね。

 

勘が良い人はここで疑問に思うかもしれません。

モニターだけじゃなくて、録り音にもリバーブかければよいのでは?

 

録り音にリバーブをかけないのはなぜ?

 

しかし、実際の録音では録り音にはリバーブはかけません。

 

かけないどころか、できるだけ残響がゼロになるようにします。

 

上の写真にあるものは、リフレクションフィルターといって、つまり反射音を抑えてくれるものです。決して防音ではありません。

 

見てわかるとおもいますが、前面部は開いているので、防音にはならないんです。

 

レコーディングスタジオは防音処理が施されています。

ただ、実は防音処理だけではなく、吸音処理もされています。

つまり、壁や床から音が跳ね返ってこないようになっているのです。

 

DSPでリバーブをかけないどころか、あの手この手を使ってリバーブ成分が入らないように工夫しているんですね。

 

なぜでしょうか。

 

それは、リバーブ成分をコントロールしやすくするためです。

 

一般的な楽器や声は、前回の記事で書いたとおり、普段私達が自然に聞いている音自体がリバーブ成分を含んでいるもの。

だから、作品に入っている楽器類にもほとんどリバーブをかけます。

 

ただ、そのリバーブをどのくらいかけるのか、というのをマイクの位置や壁からの距離だけで、しかも録音時に1回でバシッと決めることはできないんです。

 

録音は各楽器を別々に録ることが多いので、もし吸音対策をせずに録音をすすめると、楽器によってリバーブ量が違う、ということが起こります。

 

録音素材に入り込んでしまったリバーブ成分は、取り除くのも増やすのも難しい。

部屋で本当にマイクが拾ったリバーブ成分の上にデジタルでリバーブをかけるわけですから、コントロールがスムーズにいきません。

 

じゃあどうするか。

ということで、徹底的にリバーブ成分をなくした状態で録音し、デジタルでかける(ソフト上でかける)リバーブのみにするのです。

 

自宅で録音するときの吸音は?

 

よほどのお金持ちでないと、部屋の防音、吸音は現実的ではありません。

 

ということで、まず防音ですが、これは静かな時間を選んで行う。

ずっとうるさいのなら、街のリハスタにパソコンとオーディオインターフェイスを持ち込んでやりましょう。

 

吸音は?

できるだけ壁や床を柔らかい材質で覆います。

毛布とか良いですね。

そして、狭いところを選ぶ。

できればリフレクションフィルターを使いましょう。

 

最近は、防音+吸音+ポップガード(マイクの前にあるフィルターです)の役目を果たす、こういうものも売っています。

 

あとがき

 

録音の難しさって、結構アナログです。

DAWソフトの操作方法よりも、こういったアナログな難しさのほうが多いくらいです。

 

次回は、DSPのリバーブ以外の活用です。

リバーブはなくてもなんとか歌えるかもしれませんが、DSPがなかったらほぼ無理、という楽器あります。

 

世界一人気のある、あの楽器です。