マルチティンバーの説明を続けるために、ハード音源の話をします。
目次
ハード音源について
DAW本筋からちょっと離れます、
プラグインインストゥルメントは、DAW上で起ち上がるソフトとしての音源(楽器)でしたね。
ソフトの前にはハード、つまりハード音源というものがありました。
そして、いまでもちゃんとあります。
ただ、ソフトが出てからは相対的に減っただけです。
ハード音源を買って、パソコンとMIDIインターフェイスでつなぎ、ハード音源の出力をオーディオインターフェイスのINPUTにさせば、DAW内のオーディオトラック内にオーディオとして録音することができます。
①MIDI鍵盤
↓USB
②DAW内MIDIトラック(in:MIDI鍵盤、out:ハード音源)
※ハード音源を使う前にはパソコンの初期設定が必要
↓USB
③MIDIインターフェイス
↓MIDIケーブル
④ハード音源
↓フォンケーブルなど(通常はステレオなので2本)
⑤オーディオインターフェイス
↓USB
⑥DAW内オーディオトラック
↓内部処理
⑥DAW内マスタートラック
↓USB
⑦オーディオインターフェイス
↓
⑧スピーカーorヘッドホン
長い旅ですね・・・
※ちなみに、シンセサイザーというのはMIDI鍵盤とハード音源が一緒になっているものが多い。
さて、ハード音源にもマルチ音源、つまりたくさんの楽器が出せるものがありました。
ただし、同時に出せるものは一つだけ、、、でした。
では、同時に出すためにはどうするか。
選択肢は2つ。
一つは、いちいち録音、つまりオーディオ化する。
ただし、この方法は、あとでやっぱりここを、、、という場合に戻るのが困難です。
オーディオ化して同時にならしたときはときすでに遅し、ということになると、使い勝手が悪い。
もう一つは、ハード音源をいくつも用意する、というもの。
これならちゃんと出ますが、お金も場所もかかりますね・・・
ここでマルチティンバーが登場。
一つのハード音源で16個の音を同時に鳴らすことができるようになったのです。
ハード音源上で、1-16のMIDIチャンネルをならしたい楽器一つひとつに割り当て、DAW上でのMIDIトラックにもそのチャンネルを設定します(MIDIトラックにはMIDIチャンネルを設定する項目が必ずあります)。
これまでお金も場所も必要だったハード音源は、一気にスリム化できました。
あとがき
ハード音源の運用において不便だったことを、マルチティンバーの登場がいかに解消してくれたか。
素晴らしすぎるテクノロジーです。
そして、時代はハード音源からソフト音源、つまりプラグインインストゥルメントへと変わっていきます。
そんな中でマルチティンバーはどうなるのか。
次回はそんな話。