DAWソフトを使っている人は、今から曲を作ろう、というときに新規シーケンス(プロジェクト)を作ります。
このとき、テンプレートを活用している人がほとんどだと思います。
ちなみに、DAWにおけるテンプレートとは、シーケンスがたちあがったときの初期設定全般を指します。
例えばオーディオトラックを3つ、マスターにはWAVEのWLMメーターを挿しておく、といった状態をテンプレートとして保存しておけば、この状態で起動するので、オーディオトラックを作ったりプラグインを挿したりする手間が省けるのです。
しかし、このテンプレートにはデメリットもあります。
最大のデメリットは、操作方法を忘れてトラブルに対応できなくなることです。
センドリターンでプラグインエフェクトをかけている状態をテンプレート化している場合、センドリターンでエフェクト設定方法を忘れる、などです。
もう一つは、毎回同じプラグインを使ってしまうので、偶発的な発見が減る、ということです。
曲作りはクリエティブな作業です。
定番と呼ばれる曲作りはちゃんと学んでおく必要がありますが、一方そればかりだとひろがりがない。
プラグイン選択画面で、間違ってとなりのプラグインを適用したら、意外と良かった、なんていうことが結構起こります。
また、同じ種類のエフェクトでもメーカーやパラメーターによってキャラクターがだいぶ変わることがあります。
テンプレート化しているときは、その効率性によって別のエフェクトをためそう、という動機が下がります。
曲を作るのに全く関係ない設定は良いと思います。
例えばアナライザーやウィンドウセット(見た目)など。
一方トラックやエフェクトを最初から設定しておくのは、上記理由によりあまりおすすめできません。
多少時間がかかっても、毎回トラックを作成し、プラグインを探し、という方がクリエイティブです。
DAWで「作曲」をする場合、それは「作業」ではないんだ、ということを肝に命じておきましょう。