母との会話です。
今年はご近所さんとお酒飲みながら年越ししたそう。
紅白はテレビで流れてたけど、ほとんど見ていないという。
「最近の曲は覚えにくいのが多くてねぇ」
音楽関係で働いている私としては、気にかかる発言。
で、「覚えにくい」の内容を細かく聞いていくと・・・
単に最近の曲を聞いてない(知らない)だけだと判明。
聞いてなかったら覚えるわけないでしょ。
母は、音楽好きではありません。
そんな母でも、物心ついたころから年末は紅白を見て過ごしたそうです。
一種の懐古主義かもしれませんね。
昔はよかった、的な。
さほど音楽好きではない母でも、昔の曲は知っているし覚えているわけです。
現代であれば、音楽の入り口はYou Tubeがトップだそうですが、母の時代は統計を見るまでもなく、テレビかラジオ、ラジオはほとんど聞いたことないそうなので、テレビです。
つまり、普段からテレビを見てないと音楽を知る機会がないわけです。
そして、そんな母も今やテレビよりAmazonPrimeやNetflixに費やす時間の方が長い。
そりゃあ、知る音楽も偏るし減ります。
受動型メディアであるテレビと違い、サブスク系は能動型、つまり興味があるものしか見ない。
結果、最近の音楽そのものを知らない母ですが、自身の映像メディアに対する関わり方の変化に自覚が無いため、感想が雑になります。
「昔は覚えやすい音楽、今は覚えにくい音楽」
違います。
昔は、興味の有無に関係なく音楽が耳に入ってくる環境。
今は、興味がない音楽が勝手に耳に入ってくる機会が減った。
これが正しい分析です。
ただ、おそらくうちの母のような自己分析で雑談を繰り広げている人も少なくないでしょうね。
昔の音楽の方が良かった。
その証拠に紅白の視聴率は下がり続けている。
違います。
音楽はそもそも良し悪しを一般論で決めることができません。
視聴率は社会環境の影響をもろに受けるので、ネットもカウントダウンライブもなかった時代と比較して、視聴率低迷の要因を音楽そのものに求めるのはナンセンスです。
と、母と話ながらそんなことを考えていましたが、考えただけで伝えていません。
まあ、いいんじゃないの、と思います。