とあるきっかけで、大手の音楽学校で講師をすることになりました。
科目はDTM及び作曲。
非常勤講師で週1回です。
名前は以前から知っていましたが、担当者にSlackで連絡を取り、教室や場所の確認のため訪問しました。
すごい設備の学校で、数百人は収容できるだろうライブホールから、ラージコンソールを備えたレコーディングスタジオ。
他、レッスンスタジオもたくさんあり、一度行ったくらいでは迷うくらいです。
こんなことを言うのもあれなんですが、、、
どこの音楽学校もお金をかけるところってあんまり変わりません。
機材や設備にはとにかくお金をつぎ込む。
これ、なぜだかわかります?
それは、入学を考えている生徒が機材、設備を見て入学を決める、ということが多いからです。
そんな理由で決めるの?と思うかもしれませんが、本当にそれが決定打になることは多い。
それは必然なんです。
どういうことかというと、音楽を志す人が音楽学校を選ぶ基準って、機材、設備くらいしかないんです。
音楽学校への入学を考えている人はどういう基準で専門学校を選ぶと思いますか?
すぐに思いつくのは、卒業生の進路、実績です。
音楽であれば、卒業生のうちどのくらいがプロとして音楽をやっているか。
ここで重要なのは、何人がプロになっているかではなく、何%がなっているか。
また、音楽のプロ全体に占める音楽学校出身者がどのくらいいるのか、です。
これらは、音楽学校のパンフレットにもホームページにも掲載していません。
掲載されているのは、卒業生のうち有名になった人だけで、その割合はわかりません。
その上、公務員になるための専門学校のように、資格や試験合格といった明確なゴール、基準も曖昧です。
何をもって音楽のプロと言えるのか難しいところですが、逆に言えばどうとでも言えてしまうのです。
学校選び基準として次に考えられるのは講師でしょうか。
これも難しい。
講師の実績を掲載している学校もありますが、すべての講師の実績を掲載しているわけではありません。
そして、授業のほとんどは掲載されていない講師が受け持ちます。
私も含め、地元で活躍中、といったふわっとした経歴であることも珍しくありません。
また、実績があったとしてレッスンの質が高いがどうかはまた別問題です。
有名予備校講師全員を東大卒にしたって良い講義になるかはわからない、というのと同じです。
こうやって、専門学校を選ぶ基準がなくなっていきます。
音楽業界のことなんて、巷ではあまり知られていないから、入学を考えている生徒の親だって、自分の子をどこに預けてよいのか、そもそも学校に行く必要はあるのか、という悩みがあるのです。
そんな中、機材、設備というのはわかりやすく良いものなんです。
良い音楽を奏でるには、良い機材を。
それっぽく聞こえるでしょう。
それに、良い卒業生を輩出することや良い講師を雇うことにくらべ、良い機材や設備を選ぶのは簡単なんです。
お金さえ出せば買えるわけですからね。
だから、結局資金力勝負となるわけで、大手の音楽学校はどこも母体が大きい。
はっきり言っちゃいますが、良い機材や設備と将来音楽のプロとしてやっていけるかどうかは、直接関係ありません。
それから、音楽学校出身のプロミュージシャンはいますが、その人の学生時代を聞いてみると、決して優等生ではない事が多い。
つまり毎日ちゃんとレッスンに出席して、テストも高得点で、なんて人はごく少数なんです。
じゃあ、どんな人がプロになれるのか。
音楽学校は本当に必要なのか不要なのか。
それには、明日のブログで答えたいと思います。