昨日も紹介した、ケイト・マーフィのLISTEN、読み終わりました。
「聞く系」(?)の本の中では、最も内容が濃い本だと感じました。
そして、なんといっても今の自分に刺さる内容でした。
- 自身がせっかちだと思っている人
- 話し過ぎだと思っている人
こういった方には特におすすめです。
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簡単な要約は誤解を生むので避けます。
私が本書でもっとも納得した箇所を紹介します。
耳を傾けるとは、誰かに同意するという意味でもなければ、同意を遠回しに要求することですらありません。
単に、相手の考え方にはそれなりの理由があり、そこから学べるものがあるかもしれないという可能性を受け入れることです。
人と話している時に、相手の考え方に納得いかなかったり、間違っていたりしたとき、私はこれまで、当然のように反論、指摘していました。
人と会話する、ということはそういうことだ、と考えていたのです。
でも確かにそれでは、相手がどういう意図をもってそういう考えに至ったのか、が学べません。
それに、大抵の場合は、そこで反論したところで相手の考えを変えたり、間違いを正してくれることはありません。
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会話は、言葉のキャッチボールと言われますね。
キャッチボールは、ボールをしっかり受け取った後でないと投げ返せません。
ボールを受け取らずにボールを投げるということは、
- 相手が投げたボール以外のボールをすでに自分が持っていて、それを相手に投げること
- 相手が投げたボールを受け取る暇がないこと
を意味しています。
そして、相手が投げるボールがいつも自分の正面に向かって飛んで来るとは限らない、むしろそうでないところに飛んで来ることが多い。
そのときに、相手のコントロールが悪いと、と決めつけて指摘したら、あいては凹むかキャッチボールをやめるか、でしょう。
自分が立っている場所が悪いのかもしれない。
自分が取れる位置までさっと移動すれば良い。
こう思っていれば、キャッチボールは続くし、段々と相手のコントロールにも変化があるでしょう。
私は自他共に認めるせっかちな方なので、この変化を待つのが苦手です。
しかし、本書で学んだ聞くことの意味を意識すれば、たとえ同意できなくても、間違いだと気づいても、ぐっと待てるかもしれない、そう思いました。
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まあまあの長さの本ですが、読み終わった瞬間から意識し、聞くことの鍛錬は可能です。
スペシャリストになるためには、長い月日がかかりそうですが、その過程でも十分な効果が得られそうです。