学歴主義の良し悪しは、今も昔もギロンの的になりやすい。
しかし、今現在で言えば、まだ「その」差は結構ある印象だ。
「その」とはつまり、学歴が高いほうが、待遇の良い就職ができるといったこと。
例えば収入面でも、出身大学別収入ランキングで、今年も1位は東大だ。
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ところで、大は小を兼ねるというように、良い大学に行けば行くほど、その後の人生の選択肢も拡がると言われることもあるが、それは本当だろうか。
自分が大学生だった頃、カラオケのアルバイトをしていた。
その日は、店を出てビラ配りとキャッチの役目。
週末だったこともあり、良い感じに酔ったサラリーマンのグループなどが、千鳥足寸前で歩いていたところに
「カラオケいかがですか?」
と声をかけると、
「いいね、行こう行こう!」
となり、そのまま店へ案内することに。
その道中、
「お兄さんは学生なの?どこの学生?」
と聞かれ、
「◯☓大学です」
と答えると、
「そんなに良い大学に行っているのに、カラオケのビラ配りのバイトなんてしなくていいんじゃない?」
と言われた。
良い大学に行っていたら、カラオケのビラ配りやキャッチのバイトをするのはおかしなことなのだろうか。
それなりにレベルの高い大学に行っていても、大企業に就職したい人ばかりではない。
じゃあなぜそんな大学に行ったんだ?と問われそうだが、高3で受験する大学を選ぶ段階で、将来希望する就職先が漠然とすら見えていない人はたくさんいる。
特にそれが悪いことだとは、ちっとも思わない。
すると、その後の選択肢を増やすために、自分の学力で行ける範囲で一番レベルの高い大学を受験することになる。
こういった大学選択の仕方をする人はいまだたくさんいるはずだ。
しかし、周りの人間はこれを逆手にとって、つまりその大学に行った学力と、その学歴を既に持っている、ということを理由に、大企業に就職すべき、となるのだ。
本来ならば、大は小を兼ねるはずなので、大学を出て中小企業に就職したり、就職すらしなかったり、という選択肢も当然あるはずだが、それを狭めに説得にやってくる。
もったいない、いつか後悔する、世の中が見えていないといった言葉を激しくあびせられる。
自分の今の仕事は、音楽だ。
つまり、大学卒業で就職をせず、やりたいことを選択した。周りの説得にはギリギリで従わなかった。
高学歴だと、人生の選択肢は増える、、、、はずだ。
しかし、実際のところは、環境がそうさせないことも多々ある。
選択肢を逆に狭めるのだ。
高3では見えていなかった将来も、大学卒業の歳なら、決めざるを得ない。
そこで「考える」ことがやはり重要だろう。
考えないと、「良い大学だから大企業へ就職」といった環境にまんまと流されてしまう。
後悔は先に立たない。
考えて選んだ道ならば、大企業への就職だろうが、音楽の道に進もうが、海外に移住しようが、自分で責任を持てるだろう。