昔からサザンオールスターズが大好きで、大学に入るくらいまではサザンとその他似たような音楽ばかり聞いていました。
いわゆる王道のPOPS、歌モノです。
大学でバンド系のサークルに入って音楽に詳しい友人が沢山できました。
それは新たな音楽ももたらしてくれます。
そのひとつがbird。
歌モノではあるものの、どこか大人っぽい雰囲気が印象的で、一気にファンになりました。
当時のbirdをプロデュースしていたのがMondo Grosso。
名前を聞いても個人名なのか日本人なのかさっぱりわかりませんでしが、後々に大沢伸一さんというプロデューサーのプロジェクト名だと判明します。
そこでMondo Grossoの音楽を聞こうと思い手に取ったCDがこれです。

- アーティスト: MONDO GROSSO,タニア・マリア,アメール・ラリュー,Monday Michiru,エンディア・ダヴェンポート,bird,エジ・モッタ,リノ・クリス,Monday満ちる,大沢伸一,セルソ・ビアフォラ
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
- 発売日: 2000/07/26
- メディア: CD
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これは歌がないインストですが、度肝を抜かれましたね。大人的であり都会的。
グルービーだがクール。そして主旋律はどこまでも美しい。
birdとMondo Grosso、この2つにまたがるギタリストが田中義人さんです。
冒頭のDVDでギターを弾いているのも田中さんで、2曲目「SOULS」のギターソロは、本当にかっこよすぎます。その部分だけ100回位繰り返し見たことを覚えています。
田中義人さんの演奏はこの2つにとどまらず、スガシカオさんや森山直太朗さん、宇多田ヒカルさん、他たくさんの音源で聞くことができます。
間違いなく一流のギタリストです。
アーティストは音で語るものと思っているので、好きなアーティストやミュージシャンであっても、特にSNSを頻繁にチェックしたりすることはありませんが、先日ふとしたことから田中さんのブログを見る機会があり、読んでみました。
なんと演奏ができないくらい重い病気を患っていました。
私は読みながら、心拍数があがり、呼吸が荒くなりました。
手も震え、涙も出ました。
こんなに素晴らしいギタリストを、なぜこんな残酷な病気が襲うのか、現実を受け止めるのに苦しみました。
加えて、大好きなのにそれを知ったのが最近だ、ということに情けなくなりました。
現在はリハビリに励む毎日のようです。
ブログ中に出てくるあまりにも有名なミュージシャンの名前に、改めてすごいギタリストなんだ、と感じました。
第9話にこんな文章があります。
とにかく日本人が美徳としている忍耐強さ、無駄な根性論など、脳がリラックスする事に逆らう事が無駄に肉体の疲労を呼び起こしたり間違った動作を脳が覚えてしまうキッカケになり得る事をここに声高に記したい。
私の普段からの考え方と全く同じです。そうなんです。
どんな分野でもそうですが、音楽はとくに忍耐や根性で成り立つものでは決してない。
それを自己の経験から語ってくださっています。
こんなに素晴らしいミュージシャンの先輩が日本にはいます。
音楽不況と叫ばれて久しいですが、音楽は決してなくなりません。
音楽とどう向きあうのか。それを改めて考えさせてもらった田中さんに、大きな大きな感謝を述べたい。
田中さんのギターは、勝手にですが私の身体の一部になっています。
本当にありがとうございます。
これからも音楽の世界で楽しんで生活されることを期待しています。