お笑い芸人としてや、お笑いという文化と照らし合わせて好む、好まないはひとそれぞれですが、このネタを漫才の舞台でやったという行為自体は素晴らしいと思います。
いわゆる社会風刺ネタで、テンポ感もよく、トピックも主要なものに絞ってあるので、ニュースを見るよりも頭に入りやすい。
もちろん、報道機関が一つのニュースを深く深く掘り下げて報道しているのに比べれば浅いのかもしれませんが、正直浅くても良いと思っています。
被災地に行かせてもらったり、沖縄の基地の話を聞いたりして、僕の中のニューストピックに(そういう話題が)入るようになった。それまでの僕のニューストピックって、女の子とごはん食べたとか、後輩芸人がむかついたとかだったわけです
村本さんも、特に時事問題や政治に興味があったわけではないんですね。いや、もしかしてあったのかもしれないけれど、そう大きいものではなかったのでしょう。
それがネット番組の仕事を機会に被災地に行ったり沖縄に行ったりして、心境に変化があった、ということだそうです。
村本さんの場合は、番組に機会を与えてもらった、つまり仕事をしたことによって興味を持つようになったのですが、一般の人にもこの大問題に興味を持ってほしい、という願いがあるのでしょう。そんなときにお笑いの場というのは、視聴している年齢層からしても、視聴者数としても、敷居の低さとしても絶好の場だったのかもしれません。
この漫才の最後で、どんな問題よりも「無関心」が問題だ、としていますが、まさしくそのとおりだと思います。
今この瞬間にも大きな問題が進行しつつあります。それに思い悩んで日々を暗く過ごすことは決して良いことではありませんが、せめて興味を持つことくらいは必要だと思います。
お笑いの人だから、風刺ネタは・・と言ってられない状況があります。それは日本にいるから遠くの国で起きていることは関係ない、若いから政治のことは関係ないと言っているのとあまり変わりません。
とくに政治に関しては、実は年寄りも若いも性別も全く関係なく、全てのひとに絡んできます。
関係ない、という言葉を言えるその社会さえ形成できない国が世界にはたくさんあることを知るべきです。
お笑いの人は、笑ってられないことをネタにする。
それがダメな理由はどこにもありません。笑ってられない状況だってことを少しでもみんなが知るため、という意味では大きな行動だと思います。