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いつの時代でも、「コツ」を求める人は絶えないようです。 自己啓発本の多くは、「コツ」を説明している本に思えます。 意地悪な言い方をすれば、いかに楽してことを成すか、ということを書いている様に思えますね。
私は苦労礼賛主義ではありません。しかし、結果的になにかを成そうと思えば、苦労が必要となることが多くあるのも事実でしょう。 日本の「手段の目的化」は、成功の影によくある苦労の捉え方を履き違えて、苦労すれば成功する、苦労しないと成功しないとしてしまったものですね。
自己啓発本を愛読する人に共通するのは、いつも「HOW」を求めているということです。 しかし大切なのは「WHY」ではないでしょうか。
冒頭の記事はエンターテイメント記事とも言える面白い記事ですが、本当にある自己啓発本です。 例えば、2位にランクインしている「営業マンはパンツを脱げ! お客が思わず買ってしまうセールスの極意」。 タイトルから分かるように、営業成績をあげる「方法」を説いた本です。
しかし、なぜ営業成績を上げなければいけないのか、の方が重要ですよね。 パンツなんか脱がなくても、自分が良いと思うものは、人に教えたくなるもので、それが営業成績に直結するのは言うまでもありません。 営業成績がのびなくて悩んでいる人は、どうやっやら営業成績があがるかを考えるのではなく、なぜ自分はこれをもっと人に積極的に薦めたいと思えないのか、を自問自答すべきでしょう。 確かに、いくら良いと思うものでも人にすすめるのが苦手な人はいます。そういう人は冷静に考えて、営業不向きです。 それから、人に薦めるのが苦手なわけでもないのに、会社の営業成績はいまいち、という人は、会社の製品を心底から良く思えていないのかもしれません。ならば、もっと自社製品を向き合うべきです。すくなくとも自己啓発本と向き合うより生産的でしょう。
普段から「WHY」ばかり考えすぎると、結局人はなぜ生きているのか、という究極の課題にぶつかります。これはあまり喜ばしいことではありませんから、考え過ぎもよくない。 しかし、今の自分の身の回りを含めた社会の風潮は、あまりにも方法論に偏り過ぎと思わざるをえません。 どうやったらお金を稼げるのか、はよく聞く話ですが、それ以外でも例えば音楽ならば、どうやったら良い曲をかけるか、ということを探し求めている人は多くいます。そんな答えがあるのならば知りたいところですが、実際はそんな答えはありません。そんなことを考える暇があるならば、なぜこの曲を聞いて私は良い曲だと思うのか、を考えるほうがあらゆる側面でプラスです。