知識は「勉強して」得るものであって、ある記事やニュースを読んですぐに得られるものではありません。
それがこの記事を読むとよくわかります。
記事から引用しますが「メルトダウン後で、100倍以上基準が緩和された」というのはデマだけど、「平時基準と避難勧告基準」ということを知っていれば、そんなデマにだまされない。
逆に言えば、「平時基準と避難勧告基準」のことを勉強してなかったら、まるで基準が緩和されたように感じる、ということです。
ストロンチウムの件も、100ベクレル以下は安全なんて馬鹿基準というデマも同じです。
こういう記事を読んで、詳しく調べなかったら、専門分野なだけに騙されます。
そして、デマのほうに傾いてしまうのは、知的優越感への欲望です。
難しそうなワードですがつまり、「お前はしらんと思うけど、実はこうなってるんよ」と言いたい欲望です。陰謀論好きとかに多いですね。
これだけなら悪いことではありません。
ただ、その知識を得るためにエネルギーを使って勉強したのか、というところが肝です。
知的優越感があるのに勉強をしない人が、その優越感を得たいために勉強のところをショートカットします。
この結果生まれるのがデマです。
「みんなは騙されているけど実は・・・」みたいな情報のソースを最後まで聞くと「知り合いが言っていた」とか「あるサイトに書いてあった」とかだったりします。
政府が発表していることが100%正しいとは言えないかもしれません。
ただ、知り合いから聞いた情報や、根拠が怪しい「あるサイト」の情報に比べれば、随分信用できると思います。
これも一種のゼロリスクみたいなもので、ちょっとでも政府が嘘をついたら(もちろん嘘はだめですよ)、すべてが信用できない、という思考パターンです。
繰り返します。
ある知り合いから聞いた、というなんの根拠証明もできない情報と、政府発表の情報、比較するとどちらが信用できますか?
以前こういう記事を書きました
弱き市民を守ろうと政府を攻撃する、という行為は、それが本当のことならば健全な批判です。
しかし、それがデマだった場合、そのしわ寄せが被災者に来る、ということを知っておく必要があります。
つまり、この状況において、被災者に対する「加害者」になるということです。
弱き市民を助けたいという行為が、全く反対になります。
こんなに残酷なことはありませんよね。
弱っている人たちを助けたいと思うとき、まずしなくてはいけないことは、わかりやすい敵を作って攻撃することでなく、正しい知識を得ることです。
本当に本当に、そう思います。