日々じゃーなる

日々の生活でおもったことをなんとなく、でも結構まじめに綴るブログです。 趣味は読書とビリヤード。仕事は音楽関係。

ボーカル=歌う人じゃない?

歌が上手い人がボーカルになる。

そういう雰囲気ってありますよね?

 

確かに歌が上手いことはボーカルとして必要な要素です。

でも、最終的にボーカルに求められるのはそこじゃありません。

 

なんでお前が決めるんだよ?

いや、私が決めてるんじゃない。

売れている音楽を見たらそうなるんです。

 

売れている音楽の中で、歌が上手いものはいっぱいありますけど、全部じゃないですよね。

 

じゃあ、どんな共通点が?と言ったら、そりゃもう「普通じゃないなにか」ですよね。

 

なんじゃそりゃ、と思うかもしれませんが、そういう表現くらいしか思いつかない。

例えば見た目がめちゃめちゃかっこいいとか、声質や歌い方に特徴があるとか。

こういうのって、歌が上手いってこととは別です。

 

ある程度歌が上手い状態で、もっともっとミュージシャンとして上を目指したい歌い手さんは、どんな努力をするべきでしょう?

 

発声練習や音域を広げるためのボイストレーンング?

ピッチをより正確に?

リズムをよりタイトに?

 

こういう発想をする人は正直言ってボーカル向きではありません。

ボーカルだったらシンプルに「もっと魅力的になるためにはどんなことが必要か」って考えます。

その中に歌のスキルアップも含まれますが、あくまで一要素です。

 

例えばライブだったら、マイクの持ち方や目線、服装などの見た目にも気を使うようになるし、演出も考えます。

 

歌もの場合は、誰がなんと言おうと、一番聞かれるのは歌だし、ライブで一番注目を浴びるのも歌です。

 

ライブに関しては、みんなの視線がボーカル一点に集まっちゃうのが宿命です。

そこで「歌のスキルがー」っていうのは、数ある要素の一つでしかありません。

 

もちろん、歌は上手いほうが下手より良いんですよ。

でも、常に再優先事項ではない、ということです。

 

こないだ見たボーカリストは歌がとてもうまかったんですが、歌詞をガン見しながら歌ってました。

見た目としてはとても残念。

歌詞を間違わずに歌う、という優等生的高得点を目指すあまり、歌詞を見ながら歌うというオーディエンスにとっての違和感に気が回っていないのです。

これは、歌が上手いかどうかよりもずっと与える印象に差を生みます。

 

 

ギタリストはギターを弾く人、といった流れで、ボーカルは歌を歌う人、というのは違います。

ボーカリストは歌うことを含めた、それ以外の部分も求められちゃうパートです。

そこに単純な決まりはありません。

でも、良いボーカリストになるために、歌のスキルアップばかりを目指している人を時々みかけます。

 

こういう人におすすめなのは、コーラスです。

 

ほとんどの曲には、コーラスが入っています。

音源ではボーカリストがオーバーダブすることもありますが、ライブではコーラスがサポートします。

 

コーラスも、ちゃんと歌えば良いだけではなく、見た目やパフォーマンスにも気を使わなければいけませんが、ボーカリストのそれに比べると、歌のスキルの方を重要視されます。

 

誤解を招かないように書きますが、コーラスって素晴らしいパートですよ。

ボーカルに比べて上とか下とかじゃありません。

歌のスキルアップをひたすらめざす人にとっては、コーラスという職業は転職だと思います。

 

歌が上手い人が目指す選択肢として考えてみるのも良いかもしれませんね。