4月、5月といった年度の最初の方に生まれた人は、年度末である早生まれの人に比べ、学業の成績もスポーツの成績も良い。
こんな統計、信じられますか?
そんなばかな?と思うかもしれませんが、実際にそういったデータがあるようです。
高校生の偏差値でいけば、平均偏差値が5~7くらい違うそうです。
また、プロ野球選手の誕生月の分散も、年度が早い方に明らかに寄っているそうです。
なぜこんなことが起こるのか。
それは、マタイ効果の影響だと考えれらています。
幼稚園や小学生くらいだと、4月生まれと3月生まれの差は結構大きい。
学習能力も運動能力も目に見える差があり、当然4月生まれの方が上です。
この時期にこの差が生まれるの必然ですが、その差を受けて大人側が対応を変えます。
例えば野球なら、運動成績の良い4月生まれの子を上位打線に、3月生まれの子を下位打線や補欠に、といった具合です。
4月生まれの子は、その時点で褒められ、良いポジションを与えられ、期待されます。
3月生まれの子はその逆です。
褒められ、良いポジションを与えられ、期待されれば、その期待に応えようと、より努力を積み重ねるでしょうし、周りはそれを応援するでしょう。
3月生まれの子は、停滞します。
これがどんどん広がっていく。
高校生くらいだと、4月生まれでも3月生まれでも、自然発育レベルは誤差レベルでしょうけど、環境とそれに適応しようとしてきたという状況が、能力差を生みます。
同じことは学習においても言えます。
驚きの事実と分析ですが、結論として大事なの、生まれる月によってポテンシャルに差があるわけではなく、その後の環境によって差が生まれるのだ、ということです。
逆に言えば、その場の成績によって対応に差をつけなければ、出生日からの日数が誤差になるころには均衡化しているということですね。
今それが均衡していないのが、対応に差をつけているからだとすると、これは安易に世の中を「勝ち組」「負け組」に分けやすくしちゃってる、ということです。
実際には組織も社会も多様で、勝ち負けは数あるものさしの一つにすぎないし、第一何の勝負においての勝ち負けなのかもよくわかりません。
個人レベルで考えたら、小さい子を持つ親は、学習/運動の成績が平均よりも低くても、そんなに一喜一憂しなくてよい、いやむしろしないほうがよい、ということですね。
だって、その平均って1年単位でしょう?
幼稚園や小学生の成績を見るには、ちょっと範囲が広すぎますよね。