「タダでやってよ」問題。 | Nice Love Records
音楽は、形がありません。
CDとかには形がありますが、あれは音楽が録音されている媒体なだけで、音楽そのものではありません。
形がないってことは、原価が見えないってことです。
料理や建物など形あるものにおける食材や資材などにあたるものが、音楽にはないんですよね。
楽器で演奏する場合は?と思うかもしれませんが、楽器だって音楽そのものではありません。
音楽を奏でる(流す)ツールなだけです。ある意味スピーカーとかと同じです。
そして、音楽ってどこでも流れてます。
エレベーターの中にまで流れているところがあるくらいです。
それらの音楽は勝手に聞こえてくるものなので、お金は払いません。
こういう事情もあって、音楽って無料化しやすいんです。
私もこれまで、タダでやってくれない?って何度言われてきたことか、、
若い頃には、断りづらいので、渋々タダでやったこともあります。
今は、というと、タダでやることもたまにありますが、基本的にはお金をもらいます。
歳のおかげもあって、実際タダで依頼されること自体があんまりないですけどね。
タダでやるか、お金をもらわないとやらないか、その判断はいろいろですが、一つだけ決めていることがあります。
それは、依頼主がそれをビジネスでやっていたら、お金をもらう、ということです。
ある音楽イベントの出演依頼をイベンターから受けた時のギャラについて。
そのイベンターも関係者もみんな無償で、つまりビジネスじゃなくやっているのならば、受ける可能性もあります。
一方、イベンターは入場料の一部を手にする、会場費も払ってる、といった状況だと、出演者だけがギャラなしという理由が納得いかない。
その場合は断ります。
そのイベントに食事が出たとして、その飲食代くらいは会場費として支払う、みたいなことを言われたこともありますが、これは上に書いた、原価が見えるものにはお金を払うけど、見えないものは払わない(払いたくない)ということですよね。
ミュージシャンは、それこそ時間をかけて音楽を作ったり練習したりしています。
時は金なり。
そのお金は原価とみなせます。
音楽の能力だって原価です。
相場が見えにくいのもトラブルのもとですが、さすがにミスチルと同じギャラなわけはない。
事務所所属のメジャープロ出ない限りは、ストレートに値段を聞いたほうが良いと思います。
聞かれるだけで怒る人はあんまりいないと思いますよ。