今回はドラムの打ち込みを説明します。
目次
おさらい〜音程がある楽器
前々回の記事で打ち込みを説明しました。
もう一度この図を使います。
左にピアノの鍵盤がありますね。
緑の長方形が打ち込んだデータで、その長方形がピアノの鍵盤でどの高さのところにあるかで、音の高さ、つまり音程が決まります。
音程はある楽器はすべて同じで、ベースや管楽器なども基本同じです。
一番左がピアノになっていることと、楽器の意味でのピアノは関係なく、あくまで音の高さを視覚的にわかりやすくしているだけです。
音程がない楽器は?
ところが、世の中には音程がない楽器も結構ありますよね。
代表はドラム、他にもタンバリンやコンガ、ボンゴなどのパーカッション類は音程がありません。
こういう楽器は、どのようになるのでしょうか。
これも難しく考えることはなく、ピアノの各音程にドラムのパーツ(キック、スネア、ハットなど)が割り当てられているんです。
鍵盤にパーツ名が書いてありますね。
このように割当てられています。
この割り当て方にはある程度の決まりがあって、ソフトによって全然違うわけではないので、やっていたらすぐに慣れてきます。
また、ハットというパーツ一つでも叩き方でいろんな音が出るので、一つのパーツにつき一つの鍵盤ではなく、複数割り当てられていることもあります。
上の図では、鍵盤の48から59までの「HH」と書いてあるところはすべてハイハットです。
打ち込みは重ねてOK
ドラムを口で言ってみると、、、
「ツツタツツツタツ」
という感じになります。
この「ツ」の部分がハット、「タ」の部分がスネアです。
で、言葉には出てきませんが最初のツと5つ目のツの位置で同時にキックがなります。
このリズムは一般的に8ビートと言われるものです。
これをMIDI鍵盤で打ち込んでいくとき、ハットとスネアとキックを同時に打ち込んでいくのは結構難しいですよね?
ピアノ経験者でも、こんなピアノのフレーズはまずないので、いきなりやるのはほぼ無理です。
でも、ここがパソコンの良いところで、各パーツごとに打ち込んで良いのです。
まずはキックだけ、そのあとスネアだけ、さらにそのあとハットだけ、といった感じ。
ソフトの設定にもよりますが、ドラムの音を重ねて打ち込んでいっても、上書きされるのではなく、音が足されていきます。
また、MIDIの打ち込みのときはテンポを変えて打ち込んでも良いので、速い曲で打ち込むのが大変そうな場合は、テンポを落として打ち込んで、元のテンポに戻せば良いのです。
この辺は、楽器ができなくてもパソコンで音楽を作ることができる、と言われる所以ですね。
鍵盤が弾けなくても、人差し指1本で打ち込んでいけばよいだけなのです。
ちなみに、この重ねて打ち込むというのはドラムに限らず、どんなMIDIの打ち込みでも同様に可能です。
ピアノが弾けない人が人差し指1本で打ち込みを重ねていって、重厚なピアノ演奏に仕上げることもできるのです。
ドラムにおける音の長さ(デュレーション)は?
MIDIデータの要素の一つ、音の長さに関してですが、ドラムにおいては音の長さは関係ありません。
つまり、上にある図の緑の長方形の横辺の長さを短くしても長くしても、出る音は同じです。
シンバルクラッシュの響きをもっと長くしたい、と思ってMIDIデータを長くしても、音は不変。
じゃあどうやって響きを長くするのか。
それは、長い響きのシンバルクラッシュが割り当てられているところを打ち込むしかありません。
ドラムソフトによっては、シンバル、その他各パーツの細かい設定ができるようになっているので、その画面で目指している音に近づけます。
あとがき
ドラムが曲に入ると、一気に製品っぽく聞こえますね。
つぎはベースを打ち込んでみます。
ベースは音程がある楽器なので、今までの打ち込みの知識だけで打ち込み可能ですが、より本物っぽく打ち込むための知識を紹介します。